2000 Fiscal Year Annual Research Report
Bartonella henselae由来の内皮細胞増殖因子の分離とその作用機序
Project/Area Number |
12670259
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小田 紘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40107868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 伸昭 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20305113)
又吉 盛健 鹿児島大学, 医学部, 講師 (00128456)
吉家 清貴 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70174886)
藤村 剛 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10136880)
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Keywords | 新興・再興感染症 / 血管内皮細胞 / 内皮細胞増殖因子 / 分離精製 / 細菌性血管腫 / ネコひっかき病 / Bartonella henselae / 人獣共通感染症 |
Research Abstract |
Bartonella henselae由来の内皮細胞増殖因子について検討し,平成12年度には下記の結果を得た。 1.B.henselae増殖用液体培地の検討:本菌を発育させるための液体培地について検討した結果,ブルセラブロス培地にヘミンおよび鉄イオンを添加した場合,7日間の培養により10^8CFU/mlに達する増殖がみられた。これは,従来報告されているいずれの液体培地よりも優れた成績である。本菌の増殖に鉄イオンの重要性が示唆され,より単純な組成の合成培地を検索中である。 2.内皮細胞増殖因子の分離・精製:大量培養したB.henselaeの培養上清から,限外濾過法,およびゲル濾過法を用いて内皮細胞増殖因子の分離を試みた。現在までのところ,内皮細胞増殖促進活性物質は分子量約3万前後の蛋白であると推定されている。現在さらに精製を継続中である。 3.B.henselaeによる接着分子の発現誘発:今回の研究過程で,B.henselaeは内皮細胞の増殖促進反応を示すとともに,内皮細胞表面の接着分子(ICAM-1,VCAM-1,およびE-selectin)の発現を誘発することが明らかとなった。 4.内皮細胞増殖因子および接着分子発現誘発因子の性状:UV,加熱,または超音波処理による不活化菌および線毛欠損株を用いた実験,並びに菌培養上清の加熱処理(100℃,15min)や硫酸ポリミキシンB処理による実験から,本菌による内皮細胞増殖促進作用には生菌から分泌される易熱性タンパクが関与しており,接着分子発現誘発には耐熱性の菌体構成成分が関与していると考えられた。即ちB.henselaeによる内皮細胞増殖促進作用および接着分子発現誘発作用は,それぞれ異なった活性物質により発現されていると考えられた。
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Research Products
(1 results)