2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670272
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三輪 正直 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (20012750)
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Keywords | HTLV-1 / 無細胞系HTLV-1 / 組み込み / レセプター / p53 |
Research Abstract |
我々はHTLV-1産生細胞をマウスに投与することにより、HTLV-1がマウスに感染することを証明してきた。特に感染後18カ月のマウスでは、白血病の発症は、見られないものの人におけるHTLV-1のキャリアーを模倣するモデルを作成した。また、ウイルスの組み込まれた細胞は、主にリンパ系の組織に分布し、組み込み部位が同一の細胞クローンが脾臓のみならずその他のリンパ系の組織にも広がっていることを明らかにした。また、HTLV-1が組み込まれたマウスのゲノムの5'LTRと3´LTRに隣接する6塩基の反復配列を同定した。 無細胞系のHTLV-1感染については、殆どわかっていない。我々は、ネコ線維芽細胞より産生される無細胞系のHTLV-1粒子を用いて9種類のマウス培養細胞と2種類のヒト培養細胞に感染させた。ウイルスDNAは、PCRにより検出に成功し、全ての細胞株へのウイルスの侵入と逆転写が起こっていることが明らかとなった。またHTLV-1の抗体によりこの感染はブロックされることからウイルスはレセプターを介して感染していることが示唆される興味ある結果を得た。ウイルス遺伝子の発現についても現在調べている。 ATLのマウスモデルを確立するために、129/sv系統のp53のノックアウトマウスを購入し、繁殖させている。そして新生児マウスにHTLV-1産生細胞MT-2を投与して、感染マウスのリンパ腫の発症を観察中である。 ウイルスレセプターの単離にはヒトT細胞の膜タンパク質を抽出し、精製したウイルス粒子を用いて、ウエスタンブロットを行っている。コントロールと比べ、特異なバンドが検出された。このタンパク質がレセプターかどうかを確認するために、HTLV-1のevelopeタンパク質との結合性を調べる目的で、HTLV-1のevelopeタンパク質の発現ベクターを用いて、gp21とgp46タンパク質を合成している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka,M., et al.: "HTLV-1 infection to mice : proliferation of cell clones with integrated HTLV-1 provirus in lymphoid organs"J.Virol.. (In press). (2001)
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[Publications] Uchida,M., et al.: "Genetic and functional analysis of PARP, a DNA strand break-binding enzyme"Mut.Res.. (In press). (2001)
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[Publications] Ghosh,M., et al.: "Cyclooxygenase expression in the gallbladder"Int.J.Mol.Med.. 6. 527-532 (2000)
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[Publications] Kanai,M., et al.: "Poly (ADP-ribose) polymerase localizes to the centrosomes and chromosomes"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 278. 385-389 (2000)
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[Publications] 平井みさ子,金子道夫,三輪正直: "Comparative Genomic Hybridization (CGH) 解析法"Jpn.J.Pediatr.Surg.. 32. 1030-1036 (2000)