2001 Fiscal Year Annual Research Report
cDNAマイクロアレイによるサイトメガロウイルス複製に関与する宿主遺伝子の同定
Project/Area Number |
12670273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 慎哉 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70251444)
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Keywords | ヒトサイトメガロウイルス / マイクロアレイ / 宿主遺伝子 |
Research Abstract |
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)の複製に関与する宿主遺伝子を網羅的に同定することを目標として、平成13年度は以下のことを行った。平成13年7月までにhuman RefSeq 9, 600遺伝子、平成14年1月までにhuman RefSeq 12, 000遺伝子からなる合成DNAマイクロアレイの作製を完了した。合成DNAマイクロァレイに特化したハイブリダイゼーションにおいてシグナル・ノイズ比を極大化する装置を開発し、特許出願した。 HCMVおよびUV不活化HCMV感染後4、8、24、48、72時間のヒト正常線維芽細胞からmRNAを抽出し、作製した合成DNAマイクロアレイとハイブリダイズさせ、遺伝子発現プロファイルを取得した。これらのプロファイルを集積してクラスタ解析を行い、HCMV粒子の細胞への結合・侵入が急速な宿主細胞応答をひき起こし、細胞外に放出される種々の宿主因子の遺伝子発現が上昇すること、さらにそれらの宿主反応はウイルス遺伝子の発現に従属して低下することを明らかにした。すなわち、これらの結果は、HCMV遺伝子の発現によりそれに先立っておきる宿主側の応答が抑制されることを示している。 HCMV粒子の許容細胞表面への結合あるいは細胞内への侵入を契機として主として炎症に関与する多くの宿主遺伝子が発現され、ウイルス遺伝子の発現および複製サイクルの始動がない場合はそれらの高発現レベルが維持されることから、これらの宿主反応を抑制できるどうかがHCMVの複製が効率良く行われるためのひとつの指標となるのではないかと考える。さらに、宿主細胞応答が沈静化した感染後72時間の時点で発現レベルの上昇している遺伝子群が、HCMVの複製に直接的に関与している可能性が考えられるため、これらの遺伝子群を特に注目しながらHCMV複製非許容細胞におけるHCMV感染後のトランスクリプトーム解析を現在進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohmori, Y.: "CREB-H: a novel mammalian transcription factor belonging to the CREB/ATF family and functioning via the box-B element with a liver-specific expression"Nucleic Acids Res.. 15 ; 29(10). 2154-2162 (2001)
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[Publications] 今井順一: "基本から先端までの遺伝子工学がわかる"羊土社. 125 (2001)