2001 Fiscal Year Annual Research Report
cDNAからのウイルス回収系を利用したセンダイウイルス強毒分離株の病原性の解析
Project/Area Number |
12670283
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 広島大学, 医学部, 助教授 (70196070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清谷 克寛 広島大学, 医学部, 講師 (00106824)
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Keywords | センダイウイルス / cDNAからのウイルス回収系 / 病原性 / リーダー配列 / マウス感染実験 / 浜松株 |
Research Abstract |
国内のある動物実験施設の流行から分離されたセンダイウイルス浜松株はマウスに対して強い病原性を維持している。一方で、このウイルスを非自然宿主の発育鶏卵で継代すると弱毒化する(清谷ら、2001)。私たちは、浜松株の全塩基配列を解析し、さらに弱毒化にともなう変異を同定した(Virus Genes,投稿中)。本研究では、卵継代弱毒株の変異の意味を明らかにするために、各変異を導入した変異ウイルスを作製しマウスでの増殖・病原性を検討する。 昨年度には、浜松株全長のゲノムに相当するcDNAからウイルスを回収する系を確立し、さらに同定された弱毒化にともなう変異のうち、転写・複製のプロモーターにあたるリーダー部位の2カ所の変異(20・24位)について、すべての組み合わせを持つ4種類のウイルスを作製してウイルスの肺内増殖・病原性を調べた。その結果、20・24位のいずれか一方に変異が入ったのではほとんど影響がないが、20・24位の両方に変異が入ると病原性が100倍程度に低下することがわかった。また、これに伴って肺内でのウイルス増殖も低下していた。 今年度は、上記のリーダー変異ウイルスの増殖が、培養細胞(マウス気管上皮初代細胞)でも再現できることを示し、あわせてウイルスRNAの動態を解析した。強毒株では培養細胞でウイルス遺伝子複製が効率よく行われていることがわかった。弱毒株では、部位の変異によって遺伝子複製の効率が低下し、病原性が減弱したと考えられる(J. Virol.,投稿中)。 機構を詳細に調べるためにミニゲノムを作製したが、従来の方法では効率よく複製されないことがわかった。現在、ミニゲノムを複製させてウイルス粒子に取り込ませ、培養細胞に感染する系を作製している。また、見つかったりーダー以外のポリメラーゼL遺伝子の変異については、現在、変異ウイルスを回収するためのプラスミドを作製している。
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[Publications] Kiyotani, K., Sakaguchi, T., Fujii, Y., Yoshida, T.: "Attenuation of a field Sendai virus isolate through egg-passages is associated with the impediment of viral genome amplification in mouse respiratory cells."Archives of Virology. 146巻5号. 893-908 (2001)
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[Publications] Sakaguchi, T., Uchiyama, T., Huang, C., Fukuhara, N., Kiyotani, K., Nagai, Y., Yoshida, T.: "Alteration of Sendai virus morphogenesis and nucleocapsid incorporation by the mutation of cysteine residues of the matrix protein."Journal of Virology. 76巻4号. 1682-1690 (2002)