2001 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1・Taxによるインターフェロン応答遺伝子の活性化機構
Project/Area Number |
12670286
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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Keywords | HTLV-1 / Tax / NF-κB / インターフェロン / IFN-β / インターフェロン応答配列 / IRF |
Research Abstract |
HTLV-1TaxでトランスフォームしたRat-1細胞において、2'-5'オリゴアデニル酸合成酵素遺伝子をはじめとする複数のインターフェロン応答遺伝子がNF-κB経路依存的に活性化されることが示された。同時に、Rat-1細胞においてβインターフェロン(IFN-β)の遺伝子発現もTaxによって活性化されている事実が明らかとなり、その機構に興味が持たれた。 そこで、2'-5'オリゴアデニル酸合成酵素およびIFN-β遺伝子の転写調節領域をルシフェラーゼアッセイを用いて解析したところ、両遺伝子のインターフェロン応答配列(ISRE)がTaxおよびNF-κB分子の発現により活性化され、さらにDNA結合能を欠いたNF-κBp50分子種の発現によりこれらの活性化が抑制された。また、TaxによるISRE活性化は培養液に抗IFN-αおよび抗IFN-β抗体を添加した場合にも観察され、また、I型インターフェロンの受容体を欠失するHec1細胞を用いても再現されたことから、活性化が産生されたインターフェロンの作用を介した間接的なものでないことが示唆された。 さらに、ISREに結合することが知られるIRF-1,-2,-3および7の過剰発現がレポーターを活性化したことから、Tax発現Rat-1細胞におけるこれらIRF蛋白の発現を特異抗体を用いて解析した。その結果、IRF-1およびIRF-2の発現に有意な変化はなく、また、IRF-3の核移行も観察されなかった。しかしながら、抗IRF-7に反応する分子量約4万の分子が活生化に比例して発現していることが示され、IRF-7のスプライシング異性体あるいは新規のIRF分子であることが予想されるこの蛋白がTaxにより誘導を受けIRE活生化に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Furuta R.A., Sugiura, K., Kawakita, S., Inada, T., Ikehara, S., Matsuda T., J.Fujisawa: "A mouse model for the equilibration interaction between the host immune system and HTLV-1 gene expression"J. Virol.. 76,6. 2703-2713 (2002)
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[Publications] Takashima, K., Miyake, H., Furuta, RA., Fujisawa, J.-I., Iizawa, Y., Kanzaki, N., Shiraishi, M., Okonogi, K., Baba.M.: "Inhibitory effects of small-molecule CCR5 antagonists on human immunodeficiency virus type 1 envelope-mediated membrane fusion and viral replication"Antimicrob. Agents Chemother.. 45,12. 3538-3543 (2001)
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[Publications] Furukawa, T., Adachi, Y., Fujisawa, J-I, Kambe, T., Yamaguchi-Iwai, Y., Sasaki, R., Kuwahara, I., Ikehara, S., Tokunaga, R., Taketani, S.: "Involvement of PLAGL2 in activation of iron deficient-and hypoxia-induced gene expression in mouse cell lines"Oncogene. 20,34. 4718-4727 (2001)
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[Publications] Fukuda, H., Motohiro, T., Nakai, K., Yamamichi, K., Nakane, Y., Fujisawa, J.-I., Hioki, K.: "Negative effect of transforming growth factor-beta-1 on intestinal anastomotic tissue regeneration"Eur. Surg. Res.. 33,5-6. 388-394 (2001)