2001 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子C/EBPγ欠損によるNK細胞機能異常の解明
Project/Area Number |
12670304
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
改正 恒康 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60224325)
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Keywords | 遺伝子欠損マウス / 自然免疫 / 獲得免疫 / NK細胞 / 樹状細胞 / リポ多糖 |
Research Abstract |
遺伝子欠損マウスを用いて、NK細胞、樹状細胞など自然免疫担当細胞の分化、活性化機構を解明することを主目的としている。これまで、転写因子C/EBPファミリーの生物学的機能が、遺伝子欠損マウスの解析により、明らかにされている。C/EBPγ欠損マウスは、本研究代表者により、樹立され、まず、新生児期に死亡することが明かとなった。このマウスの新生児脾臓細胞を用いて、骨髄キメラマウスを作成し、免疫担当細胞の機能を解析した。C/EBPγ欠損キメラマウスにおいて、B,. Tリンパ球の機能は正常であり、また、NK細胞数も正常に存在した。しかしながら、細胞障害活性、および、IFNγ産生能などのNK細胞機能が低下していた。さらに、C/EBPγ欠損マNK細胞機能を肝臓および脾臓と臓器別に検討したところ、脾臓特異的な機能低下であることが明らかとなった。この結果、脾臓NK細胞機能にC/EBPγが必須であることが明かとなった。また、正常、およびC/EBPγ欠損脾臓in vitro NK細胞との間で発現量に差のある遺伝子群を、DNAチップを用いたスクリーニングにより、同定した。 樹状細胞の分化機構に関しては、樹状細胞分化誘導活性の強いグラム陰性桿菌由来のリポ多糖(LPS)や、バクテリア由来のDNA(CpG DNA)などの刺激に対する受容体、および、そのシグナル伝達分子(アダプター分子MyD88)など種々の遺伝子の欠損マウスを用いて、解析を行った。その結果、LPSによるTLR4シグナルは、MyD88依存性経路を介して、サイトカイン産生を誘導すると共に、MyD88非依存経路を介して、樹状細胞分化を引き起こすことが明かとなった。一方、CpG DNAによるTLR9シグナルも、TLR4シグナルと同様に、サイトカイン産生、樹状細胞の分化を誘導するが、いずれの生物活性もMyD88に依存しており、MyD88非依存経路は活性化していないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kaisho, et al.: "IκB kinase α is essential for mature B cell development and function"J. Exp. Med.. 193・4. 417-426 (2001)
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[Publications] A.Matsushima, et al.: "Essential role of NF-κB-inducing kinase and IκB kinase α in NP-κB activation through lymphotoxin β receptor, but not through tumor necrosis factor receptor I"J. Exp. Med.. 193・5. 631-636 (2001)
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[Publications] S.Akira, et al.: "Toll-like receptors : critical proteins linking innate and acquired immunity"Nature Immunology. 2・8. 675-680 (2001)
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[Publications] T.Kaisho, et al.: "Toll-like receptors and their signaling mechanism in innate immunity"Acta Odontologica Scandinavica. 59・3. 124-130 (2001)
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[Publications] T.Kaisho, et al.: "Endotoxin-induced maturation of MyD88-deficient dendritic cells"J. Immunol.. 166・9. 5688-5694 (2001)
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[Publications] A.Suzuki, et al.: "T Cell-Specific Loss of Pten Leads to Defects in Central and Peripheral Tolerance"Immunity. 14・5. 523-534 (2001)