2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12670306
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石川 博通 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20051667)
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Keywords | γδT細胞 / γδ-IEL / 胸腺外T細胞分化 / クリプトパッチ / IL-7 / 腸管上皮細胞 / 炎症性腸疾患 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
γδT細胞はヒトやマウスの腸管上皮内に数多く分布することが明らかにされているにもかかわらず、その発達分化機構や生体内生理的機能は未解明であった。マウス腸管上皮内T細胞(IEL)はαβ-IELとγδ-IELで構成されるが、その大多数は胸腺とは無関係に腸管粘膜局所で発達分化する。私は本研究によって、IEL前駆細胞、特にγδ-IELの前駆細胞が分布する未分化リンパ球の小集積(クリプトパッチ)を同定し、リンパ骨髄系幹細胞がクリプトパッチを経由して上皮内へと移行することによって成熟αβ-及びγδ-IELが発達分化することを明らかにした。さらに、クリプトパッチ内での前駆細胞発達分化を細胞下レベルで追究した結果、T細胞に特有なCD3ε遺伝子の転写やIELに特有のα_Eβ_7インテグリン及びCD8ααホモダイマーの発現などにクリプトパッチが不可欠であることを解明した。次にγδ-IELの腸管内発達分化に腸管上皮細胞の産生するIL-7が必須であることを、IL-7遺伝子欠損マウスを用いて腸管上皮細胞のみがIL-7を産生することの出来るIL-7トランスジェニックマウス作製・解析することによって証明した。γδ-IELは上皮細胞の発達分化を正の方向に統御することを以前報告したが、本研究期間ではTCRβ鎖欠損(β^<-/->)マウスのγδ-IEL機能が著しく減弱するのに対し、TCRα鎖欠損(α^<-/->)マウスのγδ-IEL機能は逆に更新することを明らかにした。この新知見はα^<-/->マウスが自然発症する炎症性大腸炎の起因にγδ-IELの機能亢進が関与する可能性を提示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kawaguchi-Miyashita,M., et al.: "Role on indigenous enteric bacteria and resident TCRγδ^+ cells for development of colitis in TCRα-deficient mice."European Journal of Immunology. (in press). (2001)
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[Publications] Suzuki,K., et al.: "Gut cryptopatches : Direct evidence of extrathymic anatomical sites for intestinal T lymphopoiesis."Immunity. 13. 691-702 (2000)
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[Publications] Laky,K., et al.: "Enterocyte expression of IL-7 induces development of γδ T cells and Peyer's patches."The Journal of Experimental Medicine. 191. 1569-1580 (2000)
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[Publications] Oida,T., et al.: "Role of gut cryptopatches in early extrathymic maturation of intestinal intraepithelial T cells."The Journal of Immunology. 164. 3616-3626 (2000)
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[Publications] Kanamori,Y., et al.: "Gut-associated lymphoid tissue "Cryptopatches" and intraintestinal development of murine T cells."Mucosal Immunology Update. 8. 3-5 (2000)
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[Publications] 南野昌信 他: "G.I.Research"先端医学社. 7 (2000)
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[Publications] 石川博通 他: "アレルギー・免疫"医薬ジャーナル社. 5 (2000)