2000 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者の胃レントゲン検査時のコミュニケーション支援システムの開発と評価
Project/Area Number |
12670319
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
西山 勝夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60077691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 一成 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助教授 (00127169)
黒川 隆夫 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (00029539)
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20293821)
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Keywords | 聴覚障害者 / 手話 / 胃部レントゲン検査 / 受療権 / バリアフリー / 手話日本語間機械翻訳システム |
Research Abstract |
1)聴覚障害者の胃部レントゲン検査受診に関する疫学調査 滋賀県在住の聴覚障害者の協力を得て、質問紙法および面接法にて疫学調査を行った。その結果、筆談の量的および質的不十分さなど、病院関係者との意思疎通の困難さが明らかになった。また、胃部レントゲン検査に関しては、指示伝達のため放射線技師自身がプロテクタをつけて撮影室に入り操作することが多いという現状が明らかになった。 2)胃部レントゲン検査時の所要時間と被曝線量の測定 札幌市内の民間病院の協力を得て、希望するろうあ者に胃ガン検診を実施した。放射線技師は、指示伝達する上で、合図や筆談だけでは対応しきれず、全例でプロテクタを装着した上で撮影室内で操作していた。受診者側の主観評価は良好であったが、技師側には「もう少し体位を調整したかったが意志疎通が困難なので断念した」という場合があった。ろうあ者へスムースに伝達でき、遠隔操作が可能なコミュニケーション支援システムの必要性が示された。 3)胃部レントゲン検査を対象とした手話日本語間機械翻訳システムの構築 聴覚障害者の胃部レントゲン検査受診時に、技師の指示を手話アニメーションで提示した場合の効果を検討することを目的とし、手話通訳者の動作を参考に改良した手話アニメーションの分かりやすさ等について評価実験を行った。その結果、手話アニメーションの指示文では分かりやすさならびに表情の自然さについて、手話通訳者の手話ほどの評価は得られなかったが、正答率はこれまでに我々が生成した手話アニメーションよりも高かった。また、手話通訳者の手話に近づけることが困難であった指示文の評価は低かった。以上から、胃部レントゲン検査の指示における手話アニメーションは、実際に使用される手話表現が適しており、手話通訳者の手話と完全に同様な手話アニメーションによる指示を作れば高い評価を得られる可能性があると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 内川顕太郎: "胃部レントゲン検査に用いる聴覚障害者のための手話アニメーション評価"日本人間工学会関西支部大会講演論文集. 16-21 (2000)
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[Publications] 小川圭一: "手話の自然さに関する考察-手指動作の速度パターンを中心に-"電子情報通信学会手話情報学研究会研究報告集. 33-36 (2000)
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[Publications] 内川顕太郎: "胃部レントゲン検査における聴覚障害者への指示のための手話画像"電子情報通信学会手話情報学研究会研究報告集. 45-46 (2000)
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[Publications] 森本一成: "聴覚障害者の胃部レントゲン検査のための手話アニメーションの生成とその評価"ヒューマンインタフェース学会研究報告集. 2巻・5号. 15-20 (2000)