2000 Fiscal Year Annual Research Report
障害者に対する音楽療法の神経行動・内分泌学的評価手法に関する研究
Project/Area Number |
12670351
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
金森 雅夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90127019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 みずえ 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40283361)
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
|
Keywords | 障害者 / 高齢者 / 音楽療法 / 評価手法 |
Research Abstract |
平成12年度の前半は音楽療法の評価手法について、欧米の医療、看護に関連した音楽療法に関する文献検討を行なった。文献検討の結果、評価手法のして優れた内容であるものを中心に「成年期から老年期を対象とした音楽療法(Music Therapy)の評価手法に関する研究-欧米の医学・看護学における研究から-」をまとめ、日本音楽療法学会に投稿し、来年度の掲載が決定した。 また、本年度は痴呆老人を対象に音楽療法の目標として問題行動の減少、コミュニケーション能力の向上、ストレスの緩和、意欲の向上などを目標に音楽療法を実施し、評価手法について検討した。研究対象者は痴呆療養病棟に入院中の痴呆老人10名とコントロール群20名である。音楽療法は平成12年10月から11月に週2回合計16回、時間は午前10時から11時の1時間実施した。音楽療法の効果に関する評価方法としては、音楽療法中の行動および認知機能の評価も重要であるが、療法以外の入院施設における問題行動や社会生活の評価も必要となる。これらを客観的に評価するために以下の5項目にて評価した。(1)認知機能:MMS(Mini-Mental State)、(2)ADL : N式老年者用精神状態評価尺度(N-ADLスケール)、(3)音楽療法中の行動:愛媛式痴呆症音楽療法尺度などから社会行動の増加、リズムによる身体機能の活性化、情緒の安定について評価する。(4)家庭での問題行動評価:介護者との面接による痴呆随伴症状の聴取を老年期痴呆の全般臨床評価(clinical global assessment)の症状評価尺度、(5)コミュニケーション能力評価:矢富らによる痴呆性老人のコミュニケーション能力の評価を目的とした構造的面接手法。(6)唾液によるストレス評価。以上の評価を行ない、特に愛媛式痴呆音楽療法尺度では、対象者が音楽療法の回数を重ねることで参加度や活動性が高まったことが把握できた。施設職員からも、対象者が他の院内のレクリエーションで活動性が高まったり、介護負担の減少したことなどの評価が得られた。他の評価については、コントロール群においても実施しているため、今後、比較、分析することで、より客観的な結果を得る予定である。
|
Research Products
(1 results)