2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域集団を対象とした神経疾患抽出のための効率的検診システムの確立に関する研究
Project/Area Number |
12670364
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
三宮 邦裕 大分医科大学, 医学部, 助手 (30215925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 俊秀 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40134936)
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Keywords | 神経疾患問診票 / 多発性ラクナ梗塞 / スコアー化 / 神経疾患スクリーニング / 在宅高齢者 / 神経疾患検診システム |
Research Abstract |
平成10年度〜11年度において作成した、ラクナ状態/多発性ラクナ梗塞(LS/MLI)患者を一般住民から抽出する問診票の評価のため、(1)熊本県M町の60歳以上の在宅高齢者1274人(男531、女743、60〜100歳、平均70.7±7.9歳)、(2)新規のLS/MLI患者23人(男11、女12、62〜81歳、平均72.3±5.1歳)、健常対照者9人(男2、女7、60〜77歳、平均71.0±5.2歳)、に本問診票を適用し、本問診票の判定基準、妥当性、有用性について検討した。 (1)熊本県M町の在宅高齢者:自覚症状の点数化と有意因子項目数の組み合わせで、(1)自覚症状1点以上かつ有意因子項目1項目以上の場合:敏感度76.0%/特異度41.0%/2次検診者61.2%、(2)自覚症状2点以上かつ有意因子項目1項目以上:75.3%/46.7%/56.9%、(3)自覚症状3点以上かつ有意因子項目3項目以上:83.8%/35.4%/67.8%、(4)自覚症状4点以上かつ有意因子項目3項目以上:74.0%/47.5%/56.1%、が本問診票の患者抽出の至適条件と考えられた。 (2)新規のLS/MLI患者、健常対照者に適用した結果では、(1)自覚症状1点以上かつ有意因子項目1項目以上の場合:敏感度73.9%/特異度22.2%/2次検診者75.0%、(2)自覚症状2点以上かつ有意因子項目1項目以上:78.3%/22.2%/78.1%、(3)自覚症状3点以上かつ有意因子項目3項目以上:34.8%/88.9%/28.1%、(4)自覚症状4点以上かつ有意因子項目3項目以上:34.8%/88.9%/28.1%、であり、新規の症例では現在までの所十分な結果が得られていない。欠落項目の存在、健常対照者が病院受診者である、などがその要因として考えられるが、今後さらに多数の新規患者および健常対照者に適用して検討する必要性がある。
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