2001 Fiscal Year Annual Research Report
耐糖能異常とがん罹患との関連性についての北海道T町、S町におけるコホート研究
Project/Area Number |
12670366
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 覚 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20295348)
斉藤 重幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60253994)
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Keywords | 耐糖能異常 / 糖尿病 / がん / コホート研究 / 生存分析 |
Research Abstract |
【目的】我が国では40歳以上の耐糖能異常者の有病率が10%以上になっており、糖尿病は今や国民病とさえいわれている。そこで、糖尿病の一次予防への一助とすべく、耐糖能異常とがん罹患などとの関連性などをを検討した。【方法】札幌医大医学部第二内科学教室が北海道端野町(1977年から)と壮瞥町(1978年から)で20年以上に渡って行っている40歳以上の住民を対象としたコホート研究では、ブドウ糖経口負荷試験による耐糖能険査、血圧、血清脂質、肥満度、喫煙や飲酒の習慣などを経年的に調査している。このたび、がん罹患やがん死亡に関する追跡調査を行い、耐糖能異常の有無とがん発生(罹患と死亡)との関連性などをCoxの比例ハザードモデルを用いて検討した。なお、調査研究の実施に当たっては個人のプライバシー保護を厳守し、個人への調査に際しては必ずインフォームド・コンセントを得た。【結果】1,989人(男908人、女1081人)の調査対象者を2001年7月まで追跡調査したところ、116人ががんに罹患、または、がんで死亡していた。がんの部位では胃28、肺18、膵10、大腸8、前立腺7、肝6、胆道5などが多かった。追跡期間が8年未満以内での死亡を除いて解析した。その結果、年齢が高いほどがんのリスクが有意に高く(P for trend, P<0.001)、また、男性は女性よりもがんのリスクが有意に高かった(HR=2.57, 1.67〜3.93)。男性においては50gブドウ糖経口負荷後120分の血中グルコース濃度が高いほどがんのリスクが有意に高かった(年齢調整後のP for trend, P=0.03)。女性においては、年齢を調整しても血中トリグリセライドが高い群でがんのリスクがほぼ有意に高かった(HR=2.21, 1.00〜4.90)。【結語】今後は追跡期間を延ばし、がん治療のために受診した病院における調査なども行って、最終的な結果を報告する予定である。
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Research Products
(1 results)