2000 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度導入が地域高齢者保健医療福祉システムに及ぼした効果の評価に関する研究
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12670376
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松田 晋哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (50181730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 美江子 産業医科大学, 医学部, 助手 (70320348)
劔 陽子 産業医科大学, 医学部, 助手 (60320347)
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Keywords | 公的会保護保険 / 評価 / ケアマネジメント / 満足度 / 生活支援事業 / 要介護高齢者 |
Research Abstract |
平成12年4月より導入された介護保険制度の影響について評価する目的で本年度は以下のような調査を行った。 1)ケアマネージャー(CM)に対する意識調査:利用者の意向を踏まえてケアプランを作成するCMの意見調査を行うことで、地域におけるサービスの過不足の状況、介護保険制度が利用者の療養に与えた影響について分析を行った。調査を行った福岡県内の保険者県域のサービス量については、訪問介護、訪問看護、通所系については充足している一方、訪問リハ、ショートステイが不足していることが明らかとなった。介護保険制度の問題点としては、利用者の認識不足、多忙なケアマネジメント業務のために、特に担当者会議、モニタリングなどで不十分な対応しか出来ていない実態が明らかとなった。 2)利用者の調査:介護保険制度に対して利用者がどのように評価しているか、福岡県内の二保険者の管内で、戸別訪問調査により利用者満足度調査を行った。90%の利用者は認定結果及び提供されているサービスに満足していた。介護保険制度が始まって利用が減ったサービスとしては訪問看護があり(30%減)、逆に訪問介護が伸びていた。減少した理由としては半数が自己負担をあげていた。ケアマネージャーのモニタリングに関しては、90%以上の利用者が月に1度はCMとコンタクトがあると回答しており、70%弱が訪問による確認であった。介護保険制度が開始されて良かった点として、家族、本人とも「サービスが利用しやすくなった」(約50%)と回答しており、家族の70%は「負担が軽くなった」と回答していた。 3)保険者の調査:介護保険制度の影響について検討する目的で保険者を対象とした調査を現在行っている。 4)自立判定者に対する生活支援事業の評価に関する分析:自立判定者に対して、その心身及び生活状況、要介護度を悪化させるリスクファクターに関して評価する調査票を作成し、対象者の追跡調査を福岡県内の3地域で行っている。これについては、13年度、14年度に分析を行う。
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