2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境水から検出されるクリプトスポリジウムの分子生物学的手法による種及び型の解析
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12670385
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
木村 明生 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (00250283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 基弘 大阪市立大学, 医学部・医動物室学教室, 助教授 (20047179)
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Keywords | クリプトスポリジウム / PCR / in situ hybridization / 環境水 / 凝集沈殿法 |
Research Abstract |
1.Cryptosporidium.parvum特異的遺伝子検出の検討 クリプトスポリジウム・オーシストの形態及びその壁の抗原性を維持したまま、C.parvumに特異的な遺伝子を検出することを目的に、in situ PCR法及びin situ hybridization法の検討を行った。まずC.parvum特異的なSSUrRNA配列部位を他の7種の配列との比較により選択し、これを増幅するプライマーを設計した。これを用い通常のPCR及びin situ PCRを行った結果、通常のPCRではC.parvum特異的な遺伝子の増幅が見られたが、in situ PCRでは増幅過程での急激な温度変化の影響によりオーシストの約70%が破壊されてしまったことから、実用には多くの点で改良が必要であると考えられた。そこでコピー数が多いSSUrRNAを直接標的とするin situ hybridization法開発を目的としC.parvum特異的部位を数力所選択し、これに対する蛍光標識プローブを数種類作製した。現在は、それぞれのプライマーの反応性及び有用性を種々の反応条件下において検討中である。 2.クリプトスポリジウム・オーシストの環境水からの濃縮法についての検討 硫酸第二鉄凝集沈殿法を用いた、環境水から効率よくかつ簡便にオーシストを濃縮する方法を開発し、そのオーシスト回収能について検討した。その結果、特に水道水から少数のオーシストを高率に検出出来る事が明らかとなった。今後はこの方法と分子生物学的な種同定法を組み合わせる方法についても検討を進めて行きたいと考えている。
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