2000 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールとその代謝産物の体内動態と血中濃度推定の試み
Project/Area Number |
12670400
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤宮 龍也 山口大学, 医学部, 教授 (50219044)
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Keywords | アルコール / アセトアルデヒド / 酢酸 / 薬物動態学 / トキシコキネティクス / グルコース / フルクトース / 栄養 |
Research Abstract |
アルコールとアセトアルデヒド・酢酸の薬物動態モデルの検討を目的に研究を行っている。 購入したガスクロマトグラフとヘッドスペース・サンプラーの調整を兼ねて、アセトアルデヒド・酢酸の測定法自体の検討を行った。血中アセトアルデヒド濃度の測定にはアセトアルデヒドの人工的産生・消失という難点がある。血液中にアルコールが存在するだけで、一定の平衡関係でアセトアルデヒドが産生される。これについて、試験管内の問題として、単純に割り引いて測定値を求める補正法が提案されている。しかし、生体内においても一定の平衡関係でアセトアルデヒドが産生されていると考えられるので、これがアルコール代謝から産生されるアセトアルデヒドと共存して、消失動態に影響しているとの仮説がたてられる。この仮説は動態モデル自体に影響を与えるので、測定法自体を検討すべく、種々の血液を使い、アセトアルデヒドの産生能を調べている。長時間保存した血液ではアセトアルデヒドの産生能が低下しているとの予備的結果を得たが、このことから、生体側の要因がアセトアルデヒドの平衡関係に影響している可能性が示唆されている。このように、測定法自身の基礎的検討も含み研究を行っている。 アセトアルデヒド及び酢酸代謝の個体差・個体内差としての変動要因を調べるため、フルクトースやグルコースを使い、アルコール投与後のアセトアルデヒド及び酢酸代謝への影響を同時に検討している。この実験においては、個体内差として影響の大きい吸収動態を排除するべく、アルコールは急速静注により、投与している。今までの多くの実験は、アルコールは経口投与されており、吸収動態の影響を受けて、正確な代謝因子を検討することが困難であった。申請者の研究においては、純粋な形で代謝要因を把握しつつ、研究を行っている。次年度に、データーをより増やし、動態学的検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)