2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化の修飾多型性の検出とその法医学領域への応用
Project/Area Number |
12670403
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中屋敷 徳 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10146029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金武 潤 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90326661)
熊谷 礼子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (30118294)
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Keywords | 多型 / ゲノムインプリンティング / メチレーション / 法医学 |
Research Abstract |
ヒト末梢血ゲノムDNAについて、第11染色体インプリンティング領域(11p15.5)内の隣り合う、H19(母性発現)ならびにIGF2遺伝子(父性発現)におけるメチル化修飾に基づく片親由来のアリルの検出を試みた。 H19遺伝子第一エクソン上流の、近接する3塩基置換を含む領域を増幅し、まずそのハプロタイプ検出法を検討し、出現頻度を調べた。岩手県在住198名由来DNAについて調べたところ、7523/7547/7591の塩基置換は3種類のハプロタイプ、Type1(G/G/C)、Type2(G/A/C)およびType3(A/G/T)からなり、遺伝子頻度はそれぞれ0.5177、0・3409および0.1414であった。検出方法を各種検討したところ、CDGE法は、最初に至適条件を決める煩わしさがあったものの、短時間の泳動やバンド確認の容易性などで、最も有用な方法であった。 bisulfite処理を用いて、メチル化を受けているアリルの選択的検出を検討した。上記ハプロタイプをヘテロに持つ試料において、シーケンシングによりメチル化DNAを含む片親(父性)由来と推定される配列だけを増幅可能であった。しかし、ヘテロのまま検出される試料もあり、その原因については検討中である。なお、この増幅領域内のCpG配列では、いずれもシトシンはメチル化されており、多型的出現は見られなかった。シーケンス以外のMSP後の有効な多型検出法はまだ確立できていない。 ゲノムDNAをメチル化感受性制限酵素で予め処理して非メチル化配列を切断した後、多型部位を含む上記H19領域を増幅したところ、メチル化(父性由来)アリルだけが選択的に増幅された。この方法では制限酵素処理、PCRおよび、CDGEという3つのステップで容易に片親アリルを検出可能であり、法医学領域における応用に結びつくものと期待される。
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