2002 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群における唾液腺上皮の補助分子発現の検討
Project/Area Number |
12670422
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大橋 弘幸 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60233243)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 策啓 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10334971)
|
Keywords | Sjogren's syndrome / CD40 / CD40L(CD154) / Accessory molecules / cytokine |
Research Abstract |
シェーグレン症候群(SS)患者では、B細胞のポリクローナルな増殖が常にみられ、B細胞の活性化を司るCD40-CD40L(CD154)が重要な働きをしていることが想定される。そこで,われわれは抹消血中のみならず、口唇唾液腺内でのリンパ球のCD40-CD40Lの発現を検討した。抹消血中のリンパ球のCD40Lの発現は、非刺激下ではほとんど検出不能であるが、Ionomycin+PMA刺激下ではその発現が増強し遷延化していた。また、SS患者血清中のsoluble CD40Lは、有意に健常者に比し増加していた。さらに我々は、SSの病態の中心と考えられる唾液腺(口唇唾液腺)におけるCD40-CD40L系の発現を検討した。まず、免疫組織学的な検討を11例のSS患者口唇唾液腺にて行ったところ、CD40は、唾液腺上皮細胞にも浸潤リンパ球にも発現し、CD40Lはマクロファージのみならず、リンパ球にも発現していることを見出した。また、20例のSS患者唾液腺よりRNAを抽出し、RT-PCR法にてCD40、CD40Lを検出したところ、SS患者では全例にCD40、CD40LのmRNAが発現していた。これは、免疫組織学的にCD40Lが少量しか検出されなかった検体でも、mRNAは発現しており、SS患者の唾液腺内のCD40-CD40Lの相互作用を考える上で重要である。すなはち、健常者に比しSS患者唾液腺内のCD40Lの発現は、蛋白レベルでもmRNAレベルでも発現が持続し、唾液腺内でB細胞が活性化していることを示唆する。また、SS患者の口唇唾液腺の初代培養細胞では、CD40発現がIF-γ刺激により増強し、これはNF-kBを介した系によるものと考えられた。
|
Research Products
(1 results)