2002 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイド肉芽腫内でのP.acnesの局在と菌体成分中の責任抗原の同定
Project/Area Number |
12670425
|
Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中田 安成 岡山大学, 医学部, 教授 (80112150)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 秀治 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50220009)
唐下 博子 岡山大学, 医学部, 助教授 (10197840)
片岡 幹男 岡山大学, 医学部, 教授 (50177391)
崎山 順子 岡山大学, 医学部, 助手 (40204599)
|
Keywords | サイコイドーシス / プロピオニバクテリウム-アクネス / サルコイド肉芽腫 |
Research Abstract |
1.気管支肺胞洗浄液中細胞よりのP.acnesDNAの検出; サルコイドーシス患者の気管支肺胞洗浄液中細胞をGAM平板培地に播き、コロニーが認められたものは半流動高層培地で増菌した。分離したP.acnesからSepa GeneDNA抽出キットを用いてDNAを抽出・精製した。PCRは22塩基対と21塩基対からなる2組のP.acnes特異的プライマーを用いて、40サイクルづつ、2回のPCRを行う、Nested PCR法により行った。使用したプライマーの特異性をP.acnes標準株ATCC11828株、臨床分離株3株、対照として結核菌臨床分離株10株、非定型抗酸菌分離株10株にて検討したが、P.acnes株ではいずれもバンドは検出されたが、対照とした菌株からはバンドは検出されなかった。サ症患者30例の気管支肺胞洗浄液細胞からは21例(70%)にバンドが認められたが、対象患者30例からは7例(23%)と低率であり、サルコイドーシス患者において有意に高率(P<0.001)であった。 2.病巣におけるP.acnes局在の検討; 塗沫した気管支肺胞洗浄液液中細胞をAmeXで固定し、除蛋白したのちpolymeraseの混合液と共にサーモサイクラーでPCRし、ジゴキシゲニンでラベルしたプローブhybridizさせて、抗ジゴキシゲニン抗体結合アルカリフォスファターゼを反応した後、発色させ、P.acnesの局在を検討した。気管支肺胞洗浄液細胞にP.acnes DNAが検出された3例のサルコイドーシス患者肺胞マクロファージに陽性所見が認められたが、2例の非サルコイドーシス患者ではいずれも陰性であった。 以上の結果からサルコイドーシス患者の肺病巣にP.acnesの存在が明らかで、サルコイド肉芽腫の形成に強く関与していることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Mikio KATAOKA et al.: "Response of BAL cells to Pripionibacterium acnes in sarcoidosis patients"The 7^<th> Wand Association of Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorders. 36 (2002)
-
[Publications] 中田 安成(分担執筆): "サルコイドーシス;サルコイドーシスの病理・病態生理"最新医学社. 9 (2002)