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2001 Fiscal Year Annual Research Report

抗カルパスタチン自己抗体のリウマチ疾患における意義と破骨細胞への関与

Research Project

Project/Area Number 12670437
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

三森 経世  京都大学, 医学研究科, 教授 (10157589)

Keywordsカルパスタチン / カルパイン / 自己抗体 / 自己抗原エピトープ / 慢性関節リウマチ / 自己免疫疾患 / プロテアーゼインヒビター / TGF-βレセプター
Research Abstract

【目的】慢性関節リウマチ(RA)患者にはカルシウム依存性中性プロテアーゼ(カルパイン)の特異的阻害蛋白であるカルパスタチンに対する自己抗体が見いだされる。カルパインはプロテオグリカン分解や炎症の惹起に関与する中性プロテアーゼの1つと考えられており,その阻害蛋白カルパスタチンに対する自己抗体の産生はRAの病因・病態と関連する可能性が示唆される。本年度は抗カルパスタチン抗体が認識するエピトープの解析とその臨床的意義の検討を目的とした。
【方法】1)ヒトカルパスタチンの全長cDNAを制限酵素AluIで処理後pEX-DNAに組み込み,エピトープライブラリーを作成した。2) 抗カルパスタチン抗体陽性患者血清およびマウスモノクローナル抗体を用いたコロニーブロット法でライブラリーをスクリーニングした。3) 陽性クローンよりプラスミドDNAを精製し,インサートcDNAの塩基配列を決定した。4) 陽性クローンより発現させた融合蛋白を用い,免疫ブロット法で抗カルパスタチン抗体陽性血清との反応性を検討した。
【結果】1)患者血清はカルパスタチンドメインIVのC末端27アミノ酸(C1エピトープ,aa.647-673)とドメインIIIのC末端76アミノ酸(C2エピトープ,aa.496-571)のいずれかを認識したが,モノクロナール抗体が認識するカルパイン結合部位を含むドメインIVの54アミノ酸(B2エピトープ,aa.572-625)とは反応しなかった。2) 抗カルパスタチン抗体陽性患者血清は30例中19例(63%)がC1と反応し,13例(43%)がC2と反応した。C1とC2の両方と反応したのは2例(7%)に過ぎず,反応性は互いに相補的な傾向にあった。3) B2とヒトTGF-βレセプターとの間に分子相同性を認め,TGF-βレセプターはカルパイン結合モチーフ(TIPPEXR)を含むことから,TGF-βによる細胞増殖にカルパインとカルパスタチンが影響を与える可能性が示唆された。
【結論】RA患者における抗カルパスタチン自己抗体は,抗原を免疫して得られる抗体とは異なるエピトープを認識しており,エピトープ反応性がRAの病態と関連する可能性が示唆された。

  • Research Products

    (6 results)

All Other

All Publications (6 results)

  • [Publications] 三森経世: "自己抗体と自己抗原の分子生物学"組織培養工学. 27(5). 172-174 (2001)

  • [Publications] 三森経世: "自己免疫疾患-慢性関節リウマチを中心に"学術月報. 54(7). 67-71 (2001)

  • [Publications] 三森経世: "プロテアーゼインヒビターに対する自己抗体と病態形成への意義"臨床免疫. 36(5). 806-811 (2001)

  • [Publications] 三森経世: "多発性筋炎/皮膚筋炎の診断と自己抗体"リウマチ科. 26(5). 403-408 (2001)

  • [Publications] 三森経世: "膠原病と自己抗体"日本皮膚科学会雑誌. 111(12). 1690-1692 (2001)

  • [Publications] 三森経世, 田中真生: "慢性関節リウマチの薪しい自己抗体"炎症と免疫. 10(1). 78-83 (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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