2000 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチに対するtristetraprolineを用いた遺伝子治療の検討.
Project/Area Number |
12670440
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
針谷 正祥 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20238207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 鎮司 東京女子医大学, 医学部, 助手 (90297549)
原 まさ子 東京女子医大学, 医学部, 教授 (80090009)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 遺伝子治療 / tristetraproline / RNA結合蛋白 / AU rich |
Research Abstract |
近年、転写後レベルでTNF-α mRNAの安定性を調節する分子としてTristetraproline(TTP)が同定された。TTPはサイトカインmRNAの3'側のAU rich regionに結合して、mRNAの崩壊を促進する。TTPの過剰発現により蛋白レベルでのTNF-α産生量が減少することが知られている。多くの炎症性サイトカイン(IL-2、IL-6、IL-8など)のmRNAはAU rich regionを有し、TNF-α mRNAと同様に非常に不安定である。従って、TTPが他のサイトカインmRNAの不安定性にも関与し、それらの産生調節も行っている可能性が高いと考えられる。本研究ではTTPを慢性関節リウマチ(RA)モデル動物の滑膜細胞に発現させ、その治療効果を検討することを最終的な研究目標に据えており、本年度はそのための準備を行なった。 1.TTP発現plasmidの構築 すでに合成した完全長mouseおよびhuman TTP cDNAの配列をDNA sequence法により確認し、flag epitope tagを有する発現plasmidに挿入した。これらの発現plasmid(2x flag-hTTP、2x flag-mTTP)をCos7細胞に導入しWestern blotを行ない、良好な発現を確認した。 2.TTP発現アデノウイルスの作成 研究計画ではCOS-TCP法を用いる予定であったが、in vitro ligation法によるアデノウィスル作製が可能になったため、より簡便なこの方法により現在human TTP cDNA組み換えアデノウイルス(hTTP アデノウイルス)を作製中である。今後の計画としてhTTPアデノウイルスによるTTP発現を確認後、in vitroで感染実験を行ない、Raw264.7細胞あるいはRA滑膜細胞によるサイトカイン産生への効果を蛋白およびmRNAレベルで検討する予定である。
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