2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670441
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Research Institution | Research Institute Biological Sciences, Tokyo Universjty of Science |
Principal Investigator |
久保 允人 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (40277281)
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Keywords | ゲノム / T細胞機能分化 / Th1 / Th2 / IL-4 |
Research Abstract |
ヘルパーT細胞の機能分化はT細胞抗原受容体(TCR)複合体とサイトカインレセプターシグナル伝達系が、単独あるいは両者が協調する事により、細胞周期の制御・転写因子の発現誘導・クロマチン構造の変化を巧みに操る事により分化を制御していると考えられている。TCRシーグナルとIL-4シグナルがどのようにGATA-3などの転写因子の発現や核への移行を誘導し分化を制御しているの化を検討するため、我々はヒトL-4レセプターを持つトランスジェニック(Tg)マウスを利用することにより、人為的にTh1-Th2分化を制御しうるシステムを構築し多。そしてTh2分化を誘導する上で、細胞周期・細胞分裂のどの段階でIL-4シグナルが必要なのかを検討するため、抗原(TCR)刺激を加えたこのTgマウスのT細胞に、hIL-4を経時的に添加した。その結果、この2つのシグナルが、ナイーブT細胞からTh2細胞への機能分化を誘導する為には、抗原刺激を受けた後には-4シグナルが入ると言う絶対的な順番があり、分化の方向性を決めるためにはIL-4刺激のタイミングが非常に重要であった。抗原刺激後36時間以内にIL-4シグナルが導入された場合にはTh2分化が効率よく行われたが、48時間以降ではその効率は著しく減弱していた。そこで、IL-4添加時における細胞分裂の状態を検討したところ、抗原刺激後36時間の時点では第一回目の細胞分裂はおこっておらず、その12時間後からT細胞は急速に分裂増殖していった。ナイーブT細胞がヘルパーT細胞へ分化しIL-4を産生し始めるまでには、細胞が何回か分裂することが必要である事が報告されている^<34>)。ところが、IL-4シグナルによるTh2細胞への分化の効率は、細胞分裂が進むにしたがって顕著に減弱していた。このことはIL-4シグナルによるTh2分化への方向付けは、抗原刺激により細胞周期が回り始め、最初の細胞分裂が起こる以前に決定されている可能性を示唆していた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 久保 允人: "CIS3/SOCS3/SSI3 plays a negative regulatory role in STAT3 activation in the colon epithelial cells and intestinal inflammation"Journal of Experimental Medicine. 193. 471-482 (2001)
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[Publications] 久保 允人: "Novelrole of PI3-K in CD28-mediated costimulation"Journal of Biological Chemistry. 276. 9003-9008 (2001)
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[Publications] 久保 允人: "Amutant form of JAB/SOCS1 augments the cytokine-induced JAK/STAT pathway by accelerating degradation of wild-type JAB/CIS family proteins through the SOCS-box"Journal of Biological Chemistry. 276. 40746-40754 (2001)
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[Publications] 久保 允人: "IL-4 mediated enhancement of TGF-β1 production from naive CD4+T cells through a STAT6 independent mechanism"European Journal of Immunology. 193. 471-482 (2001)
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[Publications] 久保 允人: "The IL-4 Production Capability of Different Strains of Naive CD4^+ T cells controls the Direction of the Helper T cell response"International Immunology. 14. 1-11 (2002)
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[Publications] 久保 允人: "Development of the atopic dermatitis (AD)-like skin lesions in signal transducers and activators of transcription (STAT)6 deficient NC/Nga mice"Journal of Immunology. 168. 2020-2027 (2002)
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[Publications] 久保 允人: "免疫2002"岸本忠三編集 中山書店. 250 (2001)
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[Publications] 久保 允人: "Annual Review 免疫2002"奥村 康, 平野 俊夫, 佐藤 昇志編集 中外医学社. 310 (2001)