2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670490
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
萱野 幸三 山口大学, 医学部, 助手 (90314799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井田 功 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (80263763)
沖田 極 山口大学, 医学部, 教授 (70107738)
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Keywords | 虚血 / 低酸素 / 肝星細胞 / 活性化 |
Research Abstract |
【研究目的】肝硬変への進展過程における責任細胞である肝星細胞が、同過程において生じ得る組織虚血(hypoxia)によりいかなる影響を受けるかを、特にcollagen promotorへの影響に着目し解析した。 【方法】ヒト肝由来星細胞株LI90を用いた。(1)LI90におけるcollagen promotorの発現動態:LI90に2.3kbのhuman procollagen I(α2)のpromotor region(COL1A2 promotor)の下流にluciferaseを接続したベクターを遺伝子導入し、通常(control:20%O2)および虚血培養(ischemia:5%O2)下で48時間培養後luciferase assayを行った。 (2)COL1A2 promotorのsignal transductionに関する検討:以下の3種類のCOL1A2 promotor 5'-deletion mutantを作製し同様に遺伝子導入し虚血培養下で48時間培養後luciferase assayを行った。deletion mutant-1:AP1/NF-κB binding siteを含むがSP-1 bindiug siteを含まない、mutant-2:AP1/NF-κB binding siteを含まないがSP-1 binding siteを含む、mutant-3:AP1/NF-κB binding siteおよびSP-1 binding siteのいずれも含まない。 【結果】(1)COL1A2 promotor活性の比較:ischemiaによってCOL1A2 promotor活性は202.9±34.2%(%of control)と有意(P<0.01)に亢進した。(2)COL1A2 promotor 5'-deletion mutant活性の比較:ischemiaによってdeletion mutant-1活性は246.2±2.8%(%of control)と有意(P<0.05)に亢進した。一方ischemiaによってmutant-2活性は112.0±3.2%の上昇であり、さらにmutant-3活性は増強は認められなかった。すなわちischemiaによるCOL1A2 promotor活性増強のsignal transductionにはM-1/NF-κB binding siteの方がSP-1 binding siteよりも有意に強く関与している可能性が示された。以上より、虚血が肝星細胞のcollagen promotor活性をAP-1/NF-κB binding siteを介して有意に亢進させることがヒト肝由来星細胞株を用いて証明された。
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