2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌に対する樹状細胞を用いた免疫療法の基礎的研究
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12670495
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
恩地 森一 愛媛大学, 医学部, 教授 (10112260)
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Keywords | 肝細胞癌 / 樹状細胞 / 免疫療法 |
Research Abstract |
本研究では、癌の局所において未成熟な樹状細胞(DC)の活性化および抗腫瘍効果の有無を検討する目的で大腸癌モデルマウスを作成している。大腸癌モデルマウスを担癌状態とし、腫瘍結節内にエタノール+骨髄由来未成熟樹状細胞(DC)を注入した群において、抗腫瘍効果のあることをこれまでに確認してきた。 本年は、エタノール+DC注入群がDC単独注入群と比較し有意に腫瘍増殖抑制効果を示し(p=0.012)、エタノール単独注入群と比較しても腫瘍増殖を抑制する傾向を示す(p=0.082)結果を得た。これまでに我々はHCC患者の癌組織中にCD83陽性成熟樹状細胞が存在していないことを報告し、HCCが免疫応答よりエスケープしている機序の一つと考えた。その結果を踏まえて、本研究において引き続き治療開始3日後の局所における成熟DCの存在について免疫組織学的に検討した。免疫組織染色についてはT細胞のマーカーである抗CD3抗体、抗CD4抗体、DCのマーカーである抗CD11c抗体および成熟DCのマーカーである抗CD86抗体を用いた。その結果、エタノール+DC注入群において壊死に陥った癌部周囲にDC(CD11c陽性細胞)および成熟DC(CD86陽性樹状細胞)が浸潤していた。一方、壊死に陥っていなかった癌部には成熟DCは存在しなかった。以上より、局所において未成熟DCがエタノールおよび樹状細胞の局注により成熟DCとなり、抗腫瘍効果を発揮しているものと考えられた。
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[Publications] Chen S, Akbar SMF, Tanimoto K, Ninomiya T, Iuchi H, Michitaka K, Horiike N, Onji M: "Absence of CD83-positive mature and activated dendritic cells at cancer nodules from patients with hepatocellular carcinoma : relevance to hepatocarcinogenesis"Cancer Letts. 148. 48-57 (2000)
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[Publications] Akbar SMF, Abe M, Murakami H, Tanimoto K, Kumagi T, Yamashita Y, Michitaka K, Horiike N, Onji M: "Macrophage migration inhibitory factor in hepatocellular carcinoma and liver cirrhosis : relevance to pathogenesis"Cancer Letts. 171. 125-131 (2001)
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[Publications] Tanimoto K, Akbar SMF, Michitaka K, Horiike N, Onji M: "Antigen-presenting cells at the liver tissue in patients with chronic viral liver diseases : CD83-positive mature dendritic cells at the vicinity of focal and confluent necrosis"Hepatol Res. 121. 117-125 (2001)