2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670509
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70244613)
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Keywords | 肝炎 / ヘパラナーゼ / ケモカイン |
Research Abstract |
肝炎患者でのフローサイトメトリーを用いた細胞表面のケモカインレセプターの解析 ヒト肝炎において、ヘパラナーゼ活性が肝組織に浸潤した活性化T細胞に強いことが想定されるため、まず、肝炎患者末梢血を用いて、フローサイトメトリー用いたケモカインレセプターの解析を行った。活性化T細胞の指標としては、Th1系の細胞が肝炎においてその病体形成に重要であることを考慮し、Th1細胞に表出の高いとされCXC chemokine receptor3(CXCR3)およびCC chemokine receptor5(CCR5)を用いた。CXCR3の表出に関しては、非常に個人差が大きいが、ウイルス性の急性肝障害で非常に表出の高い症例も一部にみられた。今後、各種肝疾患やその治療中の検体を用いて、CXCR3のみならずCCR5も併せて検討する。 マウス実験肝障害における活性化T細胞に対するケモカインの動態の検討 マウス実験肝障害においても、ヘパラナーゼ活性が肝組織に浸潤した活性化T細胞に強いことが想定されるため、Concanvalin A誘発肝障害をマウスで作成し、活性化T細胞に対するケモカインであるinterferon inducible protein-10(IP-10)およびmonokine induced by interferon gamma(MIG)を、肝組織中のmRNAや血清中の蛋白量の変化で検討した。結果、肝組織においてIP-10は肝障害に先立ち3時間で最も高い産生を示し、MIGも肝障害と並行して12時間で最も高い産生を示した。さらに、in situ hybridizationによる検討より、これらのケモカインは肝非実質細胞のみならず肝細胞からも産生されていることが明らかになった。
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