2000 Fiscal Year Annual Research Report
膵の線維化抑制における分子機構の解明と転写調節因子の役割に関する研究
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12670522
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 京子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90187451)
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Keywords | 慢性膵炎 / 糖尿病 / 線組化 / 筋線維芽細胞 / PPARγ |
Research Abstract |
1)自然発症慢性膵炎モデルWBN/Kobラットに対するPPARγligand(トログリタゾン)の効果の検討 自然発症慢性膵炎,糖尿病モデルであるWBN/Kobラットに0.2%トログリタゾン含有飼料を生後1ヶ月目より6ヶ月間連日投与した.生後7ヶ月まではトログリタゾン投与群と非投与群で有意な血糖値と血中インスリン値の差は認められなかった.投与3ヶ月目ではWBN/Kobラットの膵内アミラーゼ含量は正常Wistarラットに比べて有意低下し,6ヶ月目では膵湿重量,DNA含量が有意に減少した.これらの変化はトログリタゾン投与により正常レベルまで改善した.膵内インスリン含量は7ヶ月齢のWBN/Kobラットでは有意に低下したが,トログリタゾン投与では変化は認められなかった.組織学的には生後4ヶ月齢のWBN/Kobラットの膵臓で炎症細胞浸潤,腺房壊死,線維化が,生後7ヶ月齢では線維化が認められた.トログリタゾン投与によりこれらの炎症性変化,線維化は著明に改善した.免疫組織化学染色では線維化の部分に一致してコラーゲンI,III,ファイブロネクチン,α-SMAが発現し,これらの発現はトログリタゾン投与により著明に減少した. 2)膵臓の筋線維芽細胞におけるPPARγの発現の検討 ラットの膵臓よりコラゲナーゼ法で膵腺房を遊離し,腺房周囲より出現した紡錘状の筋線維芽細胞を継代培養し,第1-6継代細胞で以下の検討を行った.免疫組織化学染色ではコラーゲンI,III,ファイブロネクチン,ラミニン,α-SMAは細胞質で陽性に染色され,PPARγは核内で陽性であった.また,Western blottingによりα-SMA,PPARγの発現を確認した.
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[Publications] Shimzu k,Shiratori K,Hayashi N, et al: "Effect of troglitazone on exocrine pancreas in rats with streptozotocin-induced diabetes melltics"Pancreas. 21(4). 421-426 (2000)