2001 Fiscal Year Annual Research Report
膵の線維化抑制における分子機構の解明と転写調節因子の役割に関する研究
Project/Area Number |
12670522
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 京子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90187451)
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Keywords | 慢性膵炎 / 糖尿病 / 線維化 / マクロファージ / PPARγ / サイトカイン / 転写因子 |
Research Abstract |
自然発症慢性膵炎ラットに長期間PPARγ ligandを投与すると組織学的に膵の炎症細胞浸潤や線維化が抑制され、血中のIL-8濃度および膵組織中のTNF-α mRNAの増加が抑制された。その機序の解明として、まずラットの腹腔内よりマクロファージを採取し、免疫組織染色でPPARγの発現について検討した。正常ラットの非活性化マクロファージにはPPARγの発現はなかったが、慢性膵炎ラットより採取した活性化マクロファージの核内にPPARγの発現が認められた。つぎに正常ラットより採取した腹腔内マクロファージをlipopolysaccharide(LPS)で活性化し、PPARγ ligand投与による培養液中のTNF-α濃度を測定したところ,TNF-α濃度は有意に抑制された。また、自然発症慢性膵炎ラットより採取したマクロファージはLPS非刺激下でもすでに活性された状態で、TNF-α濃度は正常ラットに比べ著明に高値であった。これに対して長期間PPARγ ligandを投与したラットではTNF-α濃度は有意に低値であった。つぎに正常ラットの腹腔内マクロファージをLPSで刺激し、異なる用量のPPARγ ligandを投与し、ゲルシフトアッセイによりNF-κBのDNA-binding activityの変化を検討した。LPS投与により活性化されたNF-κBは、PPARγ ligandにより用量依存性に抑制された。以上の結果から、PPARγ ligandは活性化マクロファージに対してNF-κB活性を抑制するとともに炎症性サイトカインの産生、遊離を抑制することが確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu K, et.al.: "Possibility of Thiazolidiredione Derivatives as a Novel Thanpentic Agent for Prevents the Development of Chronu Pancreat β"Pancreas. 24,2(in press). (2002)
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[Publications] Iwabe C, Shiratori K, Shimizu K, et.al.: "Role of endogenous insulin in pancreatic recretion in rats"Pancreatology. 1. 300-305 (2001)
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[Publications] 久田生子, 白鳥敬子, 清水京子, 他: "Lアスパラキナーゼによる重症急性膵炎の1小児例"日本消化器病学会雑誌. 98,12. 1374-1378 (2001)
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[Publications] Shimizu K, et.al.: "Peronisome prolifarator-activated receptor(PPAR)γ-ligand inhibt the progression of pancreatic tibross in vivo and potbrogoric action"Gastroenterology. 120,5. A111 (2001)
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[Publications] 清水京子, 白鳥敬子: "Peroxisone proliferator-activated receptor(PPAR)γ-ligandの慢性膵炎の線維化抑制の機序の解明"膵臓. 16,3. 207 (2001)
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[Publications] 清水京子, 久田生子: "膵星細胞におけるPPARγの意義と膵線維化抑制の機序"日本消化器病学会雑誌. 98. A416 (2001)