2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト気道アレルギー性炎症モデルによる炎症細胞ホーミング機構の解析:SCIDマウスを用いた喘息モデル作成と治療の研究
Project/Area Number |
12670564
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
興梠 博次 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00178237)
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Keywords | 喘息 / アレルギー / リンパ球 / Th2 / ホーミング / 上皮内リンパ球 / 粘膜免疫 / SCID Mouse |
Research Abstract |
肺癌による手術にて得られた肉眼的に正常な気管支組織をSCIDマウスの皮下に移植した後に、アトピー型喘息患者の末梢血単核球をそのSCIDマウスの腹腔内に移注すると移植ヒト気管支組織に喘息患者の末梢血CD3、CD4、CD8、CD45RO、CD103(αeβ7 integrin)陽性細胞が健常者の末梢血単核球を移駐した群に比較して有意に多く浸潤することが確認された。さらに、この組織のなかのmRNAの発現を検討した結果、アトピー型喘息患者の末梢血単核球を移注した移植ヒト気管支組織から、IL-4およびIL-5のmRNAが健常者の末梢血単核球を移駐した群に比較して有意に強く発現していることが確認され、かつ、IL-2およびIFN-γは両群において有意な差はなかった。 これらの結果から、喘息患者のリンパ球が気道組織へ移行する特性(ホーミング機能)を持ち、そのリンパ球は気道局所でTh2-タイプの性質を呈していることが確認された。よって、喘息の発症機構の一つとして、気道局所で抗原提示細胞とリンパ球によって引き起こされる炎症が中心的な役割を担っている可能性が示唆された。 これらの研究に加えて、私達のグループが始めて確認したヒト気管支上皮内リンパ球の特性を検討した結果、気管支上皮内リンパ球は、上皮下リンパ球と比較して、活性化リンパ球は少ないが、CD103(αeβ7 integrin)が強く発現する亊を確認した。また、喘息患者の気管支上皮内リンパ球は、非喘息者のものと比較してCD4が少なく、CD8が多いことも判明した。しかしながら、まだ、これらの機能的意義についてはまだ解析できていなく、研究の新しい分野としてさらに検討を進めていく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "Human bronchial intraepithelial Tlymphocytes as a distinct T-cell subset : their long-term survival in SCID-Hu chimeras"Am J Respir Cell Mol Biol. 22・4. 405-411 (2000)
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[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "Isolation of a lactose-binding protein with monocyte/macrophage chemotactic activity. Biological and physicochemical characteristics"Int Arch Allergy Immunol. 122・1. 66-75 (2000)
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[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "Dyspnoea and hyperventilation induced by synthetic progesterone chlorpromadinone acetate for the treatment of prostatic hypertrophy"Respirology. 6・3. 265-267 (2001)
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[Publications] 興梠 博次: "熊本県の中山間地に位置する免田町における成人喘息の有病率調査に関する疫学的検討"アレルギー. 50・12. 1163-1170 (2001)
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[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "The role of substance P release in the lung with esophageal acid"Am J Med. 111(Suppl). 25S-30S (2001)
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[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "Apoptotic response of eosinophils in chronic eosinophilic pneumonia"Eur Respir J. 17・2. 190-194 (2001)