2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア血管症の病態機序の解明と遺伝子導入による機能修復
Project/Area Number |
12670598
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Research Institution | FUKUI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
米田 誠 福井医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70270551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 勝 福井医科大学, 医学部, 教授 (80107870)
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Keywords | MELAS / 血管症 / mtDNA欠損株 |
Research Abstract |
脳卒中様発作を主徴とするミトコンドリア脳筋症のひとつであるMELAS症候群はミトコンドリア遺伝子[mtDNA]の塩基番号3243位のアデニンからグアニンへの点突然変異を病因とする.そのミトコンドリア血管症の病態に関しては,血管性浮腫をきたすことが我々の臨床的検討から明らかとなった.培養細胞において,病態機序を検討するため,患者由来のmtDNAを導入した脳血管由来培養細胞の構築を目指した.前年度までの研究からヒト脳細動脈内皮細胞の初代培養株(BME;大日本製薬)からmtDNA欠損株を構築するの条件設定を行い,培地に添加する至適なエチジウムブロミド(EtBr)濃度の条件を見い出した.この条件下で,約2週間でmtDNAは,ほぼ検出感度以下まで減少することが明らかとなった.次に,MELAS患者由来の血小板mtDNAの血管内皮細胞への導入のため,福井医科大学附属病院へ通院するMELAS患者から,同意を得た上で採血し,パーコール法で血小板(mtDNAのみを有する)を単離し,ヒト脳細動脈内皮細胞の初代培養株BMEへ細胞融合法によって導入を試みた.しかし,変異型mtDNAを導入した培養細胞(サイブリッド)は,培地条件を変えても,'エネルギー産生が低下しているため継代維持が困難であった.現在,培養細胞の種類や培地条件を検討中である.
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[Publications] Tanaka, M et al.: "Gene Therapy for Mitochondrial Disease by Delivering Restriction Endonuclease SmaI into Mitochondria"J Biomed Sci. 9. 534-541 (2002)
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[Publications] Yoneda, M et al.: "Late infantile Hirschsprung disease-mental retardation syndrome with a 3-bp deletion in ZFHX1B"Neurology. 59. 1637-1640 (2002)