2000 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病発症危険因子としてのトランスポーター遺伝子多型
Project/Area Number |
12670605
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川上 秀史 広島大学, 医学部, 助手 (70253060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 重信 広島大学, 医学部, 教授 (30026843)
丸山 博文 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90304443)
|
Keywords | トランスポーター / パーキンソン病 / 一塩基置換 / ドーパミン |
Research Abstract |
パーキンソン病の発症には、環境要因と遺伝的要因の2つの要因の関わりによると考えられている。ドーパミントランスポーター(DAT)は、黒質のドーパミン細胞から放出されたドーパミンの再取込みに働いているが、一方で環境毒の取り込みにも関与していることが疑われている。したがって、またこの遺伝子の多型は、遺伝的要因と環境要因の相互作用の関連にも重要かもしれない。これまでの研究で、我々はDAT遺伝子のエクソン内にある、アミノ酸の変化を及ぼさない多型が、パーキンソン病発症に相関することを明らかにした。この多型とパーキンソン病との関係を結びつける1つの仮説が、エクソン内の多型とプロモーター領域の多型が連鎖しており、DAT遺伝子の発現量がDAT遺伝子のプロモーター領域の多型と関係があり、パーキンソン発症に影響を及ぼしているということである。この仮説の妥当性を調べるために、DAT遺伝子のプロモーター領域を解析中した。パーキンソン病患者20名とコントロール20名のDNAより、同領域をPCR法で増幅し、蛍光オートシーケンサーにより塩基配列を決定した。その結果、10カ所の単一塩基置換を見出した。現在、この多型の頻度をパーキンソン病とコントロールサンプルで比較している。今後差のある多型に関して、レポーター遺伝子をもつベクターに組み込み、DAT発現細胞にトランスフェクションし、発現に及ぼす影響を検討し、パーキンソン病発症とDAT遺伝子との関係を明らかにする予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Izumi Y: "Genetic studies in Parkinson's dusease with an alpha-synuclein/NACP gene polymorphism in Japan."Neurosci Lett. 300・2. 125-127 (2001)
-
[Publications] Morino H: "A single nucleotide polymorphism of dopamine transporter gene is associated with Parkinson's disease."Ann Neurol. 47・20. 528-531 (2000)
-
[Publications] Nakamura S: "Lack of an association of estrogen receptor alpha gene polymorphisms and transcriptional activity with Alzheimer disease."Arch Neurol.. 57・2. 236-240 (2000)
-
[Publications] Sawada H: "Cerebral white matter lesions are not associated with apoE genotype but with age and female sex in Alzheimer's disease."J Neurol Neurosurg Psychiatry.. 68・5. 653-656 (2000)
-
[Publications] Kumagai R: "Electrophysiological studies in spinocerebellar ataxia type 6 : a statistical approch."Neuroreport. 11・5. 969-972 (2000)
-
[Publications] Nishimura M: "Tumor necrotic factor, TNF receptors type 1 and 2, lymphotoxin-a, and HLA-DRB1 gene polymorphisms in HAM"J Neurol Neurosurg Psychiatry.. 61・12. 1262-1269 (2000)