2000 Fiscal Year Annual Research Report
培養脳微小血管内皮細胞への血小板の粘着・凝集-ビデオ強化型顕微鏡による観察-
Project/Area Number |
12670617
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
棚橋 紀夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10124950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀樹 慶應義塾大学, 医学部, 内科助手 (60296556)
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Keywords | platelet adhesion / humanbrain microvascular endothelial cell / thrombin / platelet aggregation |
Research Abstract |
【目的】脳虚血後の微小循環障害に2次血栓の形成はきわめて重要な役割を果たすと考えられる。既に我々は、活性化血小板が培養血管内皮細胞への直接粘着・凝集する現象をビデオ強化型(VEC)顕微鏡で動的観察した。今回はこれらの粘着・凝集現象に対する選択的トロンビン阻害薬アルガトロバンの効果を検討した。 【方法】ヒト脳微小血管内皮細胞(human brain microvascular endothelial cell:HBEC)を観察用カバーグラス上に,confluentな状態に培養し,VEC顕微鏡の観察台に装着した。VEC顕微鏡は、倒立型Nomarski顕微鏡、微分干渉対物レンズ、CCDカメラ、画像処理装置からなり、拡大率3000倍で観察した。また健常人より採血した多血小板血漿(PRP)を作成した。実験(1):多血小板血漿(PRP)をHBEC上を30分間灌流(shear rate 10/sec)し,洗浄後、HBECに粘着した血小板数を定量評価した(A群)。実験(2)PRP+ADP(2μM)をHBEC上に30分間潅流し、洗浄し、その後、血小板の内皮への粘着凝集の状態を観察した(B群)。実験(3)PRP+ADP(2μM)+アルガトロバン(5μg/ml)を潅流。洗浄後、同様の観察を行った(C群)。血小板の内皮細胞への粘着・凝集の定量化;程度は30μm x 30μmの区画へ粘着・凝集した血小板の数を各々100区画数え、その平均で評価した。【成績】HBECへの平均粘着血小板数は、A群;0.3±0.6/900μm^2,B群では25.5.1±11.3/900μm^2(p<0.01,vs A群)、C群;1.8±1.8/900μm^2(p<0.01,vs B群)、であった。【結論】上記結果は、ADP刺激による活性化血小板は低流速下で培養ヒト脳微小血管内皮細胞に直接粘着・凝集し、その粘着・凝集にトロンビンが関与していることを示している。
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Research Products
(1 results)