2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血耐性現象のメカニズムの解明-Caspaseの関与-
Project/Area Number |
12670624
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
片山 泰朗 日本医科大学, 医学部, 教授 (70152692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 達司 日本医科大学, 医学部, 講師 (70233955)
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Keywords | 虚血耐性現象 / ジャービル / Caspase-3 / 前脳虚血 / In situ hybridizaion / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
砂ネズミ一過性前脳虚血モデルを用い以下の実験を各年において行った。1.5%ハロセン麻酔下に砂ネズミの両側総頚動脈を動脈瘤クリップを用いて閉塞することで虚血を導入し、虚血負荷を均一化するため虚血中の直腸温および頭蓋温度は37.0±0.5℃に維持した。実験動物は以下のように4群に分類した。I群は非致死的虚血後に致死的虚血を加える虚血耐性獲得群で、5分間虚血の48時間後前に2分虚血を加えた。II群は非致死的虚血のみを加える群で、実験48時間前に2分虚血のみを作成した。III群は致死的虚血のみを加える群で、5分虚血のみを作成した。IV群は対象群で、sham手術のみを行い全く虚血を加えなかった。まず、病理組織学的検討を行い、致死的虚血導入後7日後に実験動物を経心臓的に灌流固定し、海馬レベルでのパラフィン包埋切片を作成し、Hematoxylin-Eosin染色を行い、1mmあたりの生存海馬CA1錐体細胞数を測定した。虚血耐性獲得群(I群)では、虚血耐性非獲得群(III群)に比し、神経細胞数は有意に多かった。またTUNEL法でDNA fragmentationを測定した結果、虚血耐性非獲得群(III群)では、致死的虚血導入後2日より海馬レベルでDNA断片化を示した。さらに、Caspase-3の免疫組織化学的検討を行った。つまり致死的虚血導入前、虚血導入後3、6、12、24時間、2日そして3日に実験動物を断頭し、摘出した脳を急速凍結し、海馬レベルの凍結切片を作成した。Velierらの方法(Velier JJ,J Neurosci19:5932-5941,1999)に準じCaspase-3に対する特異的抗体を用いた免疫組織化学法にてそれぞれの蛋白発現の局在を検討した。致死的虚血導入前には、Caspase-3の発現は認めなかった。致死的な5分虚血導入後3、6、12、24時間でも免疫組織化学的にCaspase-3の発現を認めなかったが、致死的な5分虚血導入2日において虚血耐性非獲得群(III群)ではCaspase-3の発現を認めなかったが、虚血耐性獲得群(I群)では海馬CA1領域においてCaspase-3の発現を認めた。
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