2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラット扁桃核キンドリングてんかんモデルにおける小脳と淡蒼球の痙攣抑制機構の研究
Project/Area Number |
12670626
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
堀 有行 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80190221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 知泰 金沢医科大学, 医学部, 助手 (80278118)
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Keywords | 淡蒼球内節刺激 / 抗てんかん作用 / キンドリング / 小脳刺激 |
Research Abstract |
平成12年度および13年度の、ラット扁桃核キンドリングてんかんモデルにおける小脳と淡蒼球の痙攣抑制機構の研究課題の中で、平成12年度は、小脳刺激のてんかんへの効果について検討した。 平成13年度は、淡蒼球内節刺激の抗てんかん作用についての研究を行った. ラット脳に淡蒼球内節および扁挑核に刺激電極を挿入固定した.術後5日以上経過した後、扁挑核刺激によるキンドリングてんかんモデルの作成を行なった.キンドリングの完成したラットを淡蒼球内節刺激群と非刺激群とに分け、各群のラットに痙攣を生じさせ、淡蒼球内節の抗痙攣作用を以下の2つの実験により検討した.実験1:扁桃核へ電気刺激を与えた後、淡蒼球内節に電気刺激を与え、てんかん症状の変化を脳波と共に記録した.この結果、淡蒼球内節を刺激することにより、扁挑核刺激の痙攣発作潜時は延長し、痙攣発作が誘発されないこともあった.さらに、実験2:実際の臨床応用を考え、淡蒼球刺激を持続して与え、このラットに対して扁桃核刺激およびカイニン酸投与により生じた痙攣発作に対する効果を検討した.その結果、淡蒼球内節の連続刺激により、痙攣の重症度は軽減し、発作持続時間も短縮した.さらに、半数以上のラットで痙攣発作自体が抑制された.これらの作用は痙攣重積状態では顕著で、カイニン酸でほとんど間断なく生じている痙攣発作が、1/5〜1/10の発作頻度に減少した.カイニン酸投与での痙攣重積状態は致命的なこともあるが、淡蒼球内節の電気刺激の群では致命率は50%以下に減少した. 以上の結果は、痙攣重積状態や難治性てんかんの治療に応用できる可能性があり、極めて重要な研究成果と考えられる.計画した実験は終了したが、現在、得られた膨大な脳波の解析とビデオ録画した臨床症状の解析中である.
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Research Products
(1 results)