2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋細胞に対するデヒドロエピアンドロステロン硫酸の作用とその分子メカニズム
Project/Area Number |
12670627
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
古玉 大介 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70291987)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 仲昭 学校法人 藍野学院, 藍野加齢医学研究所, 所長
藤田 淳 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
辻 久仁子 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
|
Keywords | ステロイド / 核内受容体 / 転写因子 / 骨格筋 / 肝臓 / 筋強直性ジストロフィー |
Research Abstract |
1.dehydroepiandrosterone(DHEA)またはdehydroepiandrosterone-sulfate(DHEA-S)により 骨格筋細胞に誘導されてくる分子の探素と確認 これまで培養骨格筋細胞株C2C12で発現誘導される遺伝子についてDifferential display法によりスクリーニングを行っていた.同法により得られた差異候補遺伝子の発現が実際にin vivoでDHEAまたはDHEA-Sにより調節を受けているかを調べる目的で,またin vivoで特に発現誘導を受ける遺伝子をスクリーニングする目的で,DHEAまたはDHEA-Sをマウスに2週間経口投与し,その骨格筋からmRNAを精製した. 現在これらを用いてNorthern blotによるin vivo発現変化の確認と,subtraction法による発現量の差のスクリーニング中である. 2.DHEA-Sにより活性化される細胞内シグナルのスクリーニング DHEA(-S)により活性化される骨格筋細胞内シグナルの解析に先立ち,これまでDHEA(-S)による細胞機能の変化がもっとも詳しく解析されているマウス肝細胞での細胞内シグナルの解析を行った.DHEA(-S)はステロイド誘導体であるため,まずステロイド受容体/核内受容体スーパーファミリーによるシグナリングにしぼり,解析を行なうことにした.PPARα,RXRをはじめとするいくつかの核内受容体の活性化を,標的塩基配列結合能(electrophoresis mobility shift assay法)と転写活性化能(in vitro reporter gene assay)を指標に検討した.これまでの報告の通り,DHEA(-S)は培養細胞を用いたレポーターアッセイ法ではPPARαを活性化しなかった.しかし,in vivoにおいてDHEA(-S)は,いくつかの標的塩基配列に対する核蛋白の結合能を増強すること,そしてその効果はかならずしもDHEAとDHEA-Sで同一ではないこと,が示された.現在,活性化される核蛋白の同定を試みている.
|