2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体冠動脈硬化プラークの組織性状同定を可能にする新型血管内カラーエコー法の開発
Project/Area Number |
12670672
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
廣 高史 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (10294638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 崇史 山口大学, 医学部, 助教授 (60228947)
|
Keywords | 血管内エコー法 / 動脈硬化 / プラーク / 冠動脈 / 組織性状同定 |
Research Abstract |
急性心筋梗塞などの心血管イベントの主要病態は、動脈硬化プラークの表面に存在する線維性被膜の突然の断裂と、それに伴う血栓の惹起であると言われている。プラークの易破綻性の主な規定因子の一つに、線維性被膜の菲薄化がある。動脈硬化プラークの断面像を生体で描出できる有用な方法として血管内エコー法(IVUS)があるが、従来の白黒画像はプラークの大きさの定量には有用であっても組織性状同定能には大きな限界があると以前から指摘されていた。その中で申請者はIVUSカテーテルが動脈内腔における位置(超音波入射角度)によってプラークのエコー輝度が変化することに着目し、その輝度変化が線維性被膜に顕著に認められることを過去に報告した。そしてこの事によりエコー輝度超音波入射角度依存性の測定が組織性状同定法に応用できる可能性を示唆した。本研究では、その角度依存性をカラーマッピングする方法を新たに開発し、組織性状同定への有用性を検討することにある。カラーマッピングは、カテーテルの位置の変化に伴う関心領域のエコー輝度の変動を連続的に記録し、輝度が最大になる画像から最小になる画像を位置補正した後デジタルサブトラクションし、その結果をカラーコーディングすることにより行った。この方法によりプラークの表面に線維性被膜が描出可能となりその厚さが0.1mmのオーダで測定できることが判明した。すなわち組織切片で測定した実際の長さとの回帰分析の結果はr=0.81,P<0.0001であり、Bland-Altmanのバイアス値は0.00±0.10mmであった。この方法は生体で線維性被膜の厚さを測定できる可能性を示した世界で初めての方法であり、この方法によって動脈硬化プラークの易破綻性を評価できうるため臨床的意義が大きいものと考えれられた。
|
Research Products
(1 results)