2001 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスにおけるミトコンドリアATP感受性K^+チャネルの役割
Project/Area Number |
12670681
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Research Institution | OITA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
米持 英俊 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40191671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60244159)
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Keywords | アポトーシス / ミトコンドリア / ATP感受性K^+チャネル / 心筋保護 |
Research Abstract |
ミトコンドリアATP感受性ポタシウムチャネル(MitoKATPチャネル)の活性化は虚血・再灌流障害から心筋細胞を保護することが知られている。私どもは酸化ストレスにより誘導されるアポトーシスをこのチャネルの活性化が抑制することを培養心筋細胞を用いて明らかにしているが、MitoK_<ATP>チャネルの活性化が筋保護作用を示す機序と・保護作用を発揮する活性化のタイミングついては不明である。そこで、残された課題について検討した。 アポトーシスの評価はFlow cytometryでのpropidiumとannexinV-FITCの蛍光と,light scatterで、さらにHoechst33342による核の形態の蛍光顕微鏡検査で行った。ミトコンドリアの内膜電位(ΔΨ)はrhodamine-123負荷後の蛍光強度をFlow cytometryで測定した。培養心筋細胞のアポトーシスは過酸化水素の暴露後2時間まで増加し(前期)、2-4時間で部分的に回復し、6-16時間(後期)で進行性に増加した。過酸化水素によるミトコンドリアの内膜電位の低下もアポトーシスと同様の時間経過を示した。MitoK_<ATP>チャネル開口剤であるdiazoxideの30分前処置で前期でのアポトーシスの増加とΔΨの著明な低下は抑制されたが、後期では抑制されなかった。Diazoxideの前処置によるΔΨの軽度の低下はMitoK_<ATP>チャネル阻害剤の5-hydroxydecanoateで消失するとともに、Diazoxideの保護効果も認められなくなった。この結果は、1)MitoK_<ATP>チャネルの開口によるミトコンドリア内膜電位の軽度の脱分極が心筋保護の引き金として重要であること2)MitoK_<ATP>チャネルの関与が酸化ストレス誘導性のアポトーシスで、その前期と後期で異なることを示唆している。
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