2000 Fiscal Year Annual Research Report
モデル動物を用いたmultiple risk factor症候群の遺伝的基盤の解明
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12670693
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
加藤 規弘 国立国際医療センター, 研究所, 部長 (80293934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家森 幸男 京都大学, 大学院, 教授 (80025600)
並河 徹 島根医科大学, 医学部, 助教授 (50180534)
栗原 裕基 熊本大学, 医学部, 教授 (20221947)
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Keywords | 遺伝子解析 / 動脈硬化 / 分子遺伝学 / 高血圧ラット / QTL |
Research Abstract |
我々はSHRSPと対照のWistar Kyoto(WKY)ラット間のF2世代を用いてゲノムスキャンを行い、血圧、体重、血中コレステロール値などを制御する遺伝子群のラット染色体上の位置を明らかにしてきたが、そのうちの特に3つの領域[ラット染色体1番、5番と15番]についてコンジェニックラットの作製を進めている。ラット染色体1番の該当する領域には高血圧ラット(特にSHR系統)の"主要な"高血圧遺伝子とともに、脳卒中・腎障害などの血管合併症を引き起こす遺伝子が、またラット染色体5番に脳卒中の遺伝子、ラット染色体5番と15番には血中コレステロール値を規定する遺伝子座が存在するとそれぞれ推定されている。代謝系の他の異常(特にヒトの"multiple risk factor症候群"に特徴的とされる、血中中性脂肪、インスリン、血糖値、内臓脂肪量の増加など)の量的形質遺伝子座(QTL)がこれまでに他施設から報告のあった高血圧遺伝子座と重複するかどうかを調べるため、F2世代ラット358匹(SHRSP/IzmとWKY/Izm間で交配)でQTL解析を行った。さらに単離脂肪細胞におけるグルコースや遊離脂肪酸代謝の障害(Aitman et al.Nature Genet.1997)に関係する遺伝子座をSHR/Izm系統でも確認するため、別の151匹のF2世代ラットで現在ゲノムスキャンを行なっている。 特にラット染色体1番に関してはすでにコンジェニック系統を確立し、QTLの推定存在領域を狭めるためにサブコンジェニック系統の作製とpositional cloningへの準備を進めている。具体的にはコンジェニック化された断片の詳細を調べるため、ヒト・マウスとラットの間の比較遺伝子地図や精密なradiation hybrid mapの作製を行い、さらにラットのYAC、PACライブラリーからcontigの構築を行なっている。
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