2001 Fiscal Year Annual Research Report
Critical Massの概念からみた心室細動の機序解明:コンピュータシミュレーションとマッピング解析を用いて
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12670698
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Research Institution | TOHO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 徹 東邦大学, 医学部, 教授 (30010416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 一雄 国立循環器センター研究所, 研究員 (50198058)
池田 隆徳 東邦大学, 医学部, 助手 (80256734)
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Keywords | 心室細動 / マッピング / コンピューターシミュレーション / リエントリー / 興奮伝播 / 心筋構造 |
Research Abstract |
1.シミュレーション解析 心室形状媒質、心室壁状媒質ともに心筋量を一定値まで切り出していくといずれの媒;質ともspiral wavesの持続は困難となり、心室細動(VF)は停止した。心室形状媒質におけるVF維持のための最小限界値は平均0.4×10^6ユニットであり、心室壁状媒質においては平均0.32×10^6ユニットであった。これらの値は、両媒質で近似した値であった。 2.マッピング解析 マッピング解析では、2〜5個のmultiple waveletsが観察されたが、各領域でその数は異なり、心室中隔において最も多くの興奮波か観察された(p=0.003)。VF周期およびVF中の不応期についても同様に、心室中隔で最も短縮していた(P=0.02)。心筋量の減少に伴って、右室自由壁では9実験中8実験においてVFは心室頻拍(VT)へと変化した。マップ上multipleであった興奮は、figure-of-eightあるいはshngleで定位置を旋回するようなorganizeしたものへと変化した。一方、心室中隔においては心筋量の減少でVTあるいはorganizeした興奮波に移行するような実験は一度もなかった。心室中隔の5実験では全てがVFが停止するまでマップ上multipleあるいはsingleで不安定な興奮波を維持した。左室自由壁に関しては、右室自由壁と心室中隔との中間的な現象を呈した。 3.解剖学的評価 VFの成立に必要な心筋のcritical massは、心室中隔で最もその重量は小さかった(p=0.0006)。組織学的所見として、右室自由壁の線維走向はほぽ一定方向に伸びていた。これと反して心室中隔の線維走向は平面像、断面像ともに非常に複雑であり、立体的には渦巻きを描くような組織構造を呈していた。左室自由壁は心室中隔と類似した組織構造を示したが、心外膜側は一定の線維走向が認められ、右室自由壁と類似していた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ikeda T., Kawase A., Nakazawa K., Ashihara T., Namba T., et al.: "Role of structural complexities of septal tissue in maintaining ventricular fibrillation in isolated, perfused canine ventricle"J Cardiovasc Electrophysiol.. 12. 66-75 (2001)
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[Publications] Ashihara T., Namba T., Ikeda T., Ito M., Kinoshita M., Nakazawa K.: "Breakthrough waves during ventricular fibrillation depend on the degree of rotational anisotropy and the boundary conditions: a simulation study"J Cardiovasc Electrophysiol.. 12. 312-322 (2001)
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[Publications] Ashihara T., Yao T., Namba T., Ito M., Ikeda T., Kawase A., et al.: "Electroporation in a model of cardiac defibrillation"J Cardiovasc Electrophysiol.. 12. 1393-1403 (2001)
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[Publications] Ashihara T., Yao T., Namba T., Kawase A., Ikeda T., Nakazawa K., et al.: "Afterdepolarizations promote the transition from ventricular tachycardia to fibrillation in a three-dimensional model of cardiac tissue"Circ J.. (in press). (2002)