2000 Fiscal Year Annual Research Report
心筋線維化抑制による心筋リモデリング心不全進展予防の試み
Project/Area Number |
12670711
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
甲斐 麻美子 福岡大学, 薬学部, 助手 (50289550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 久史 久留米大学, 循環器病研究所, 助教授 (60281531)
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Keywords | 可溶性TβRIIIgGキメラ遺伝子 / HVJリボソーム / 圧負荷肥大心モデル / TGF-β / 心筋線維化 / 心筋リモデリング |
Research Abstract |
1.可溶性TβRII-IgGキメラ遺伝子組換えHVJ-リボソームの作成 ヒト可溶性TβRIIのcDNA3'末端にヒトIgGのFc部分を結合させたキメラ遺伝子をPCR法により作成した。当初キメラ遺伝子をpCDMに組換えたが、このプラスミドではリポフェクション法によるヒト培養線維芽細胞への導入・筋注法によるラット下肢筋肉内への導入ともに効率がきわめて悪く発現が低いことから、現在、発現効率の良いプラスミドに新たに組換えを行っている。今後、導入効率の良いコンストラクトを用いて、ラット胎児心筋培養細胞・心筋線維芽培養細胞あるいはラット下肢筋肉内への導入を行う。 2.圧負荷ラットモデルの作成 ラット大動脈を縮窄し、著しい心筋線維化を伴う圧負荷肥大心モデルを安定して作成することに成功した。浅麻酔下で心エコー図法・カテーテル法を用いて心機能を評価する方法を確立した。また、組織学的・免疫組織学的に心筋細胞肥大・心筋線維化・炎症細胞浸潤を評価する方法、心筋における各種サイトカイン、TGF-βなどの成長因子発現をRT-PCR法により評価する方法を確立した。 3.圧負荷心におけるTGF-βの関与についての検討 ラット圧負荷肥大心において、圧負荷3日以降7日をピークとするTGF-β発現が認められ、28日まで持続していた。圧負荷3日に心筋線維芽細胞増殖がピークとなり、7日以降心筋線維化が進行性に認められた。今後、ヒト可溶性TβRII-IgGキメラ遺伝子導入による生体内TGF-β機能阻害が心筋線維化・心筋肥大に及ぼす効果を検討したい。
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