2000 Fiscal Year Annual Research Report
Bach2転写因子によるリンパ球分化の分子機構と臨床的解析
Project/Area Number |
12670721
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 弘前大学, 医学部, 教授 (20168339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 力 弘前大学, 医学部, 助手 (50195731)
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Keywords | Bach2 / cncファミリー / B細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
Bach2因子が造血幹細胞のB細胞への分化にどのよう役割を果たしているかを明らかにし、さらにBach2遺伝子の異常がB細胞性悪性腫瘍の病因や悪性度を規定する原因となっているかどうかを明らかにすることである。 (1).Bach2因子の下流に存在する標的遺伝子を単離した。Bach2過剰発現株とコントロールとしてベクターのみを導入したRAJI細胞からmRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ法で、約7000個のヒト遺伝子をスクリーニングし、発現が2倍以上異なる12個の遺伝子を同定した。次にノーザンハイブリダイゼイション法で、各々の遺伝子の発現量の差が有意かどうかを検討した。その結果、BCL2ファミリーのメンバーA1とIL-12のホモローグEBI3遺伝子の発現が有意に過剰発現株で低下していることを見いだした。さらに、ノーザンハイブリダイゼイション法で12株のB細胞株でのBCL2-A1とEBI3の発現を解析したところ、Bach2の発現の見られない4細胞株のみにこれらの遺伝子の発現が見られた。Bach2の発現が見られる残りの8株では、、これらの遺伝子の発現はまったく見られなかった。 (2).ヒトBach2遺伝子のP1クローンを単離して、遺伝子の構造を決定した。この結果を用いてBach2遺伝子の各エクソンの近傍のイントロンの塩基配列に相補的なプライマーを作製し、HMW-DNAをテンプレイトにしてPCR法で増幅し、直接塩基配列を決定した。しかし、Bach2遺伝子のLOHが認められた症例の腫瘍細胞の解析を進めているが、今までのところ、点変異は見つかっていない。ただし、プロモーター領域を含む第一エクソンは、翻訳開始コードンを含むエクソンの数百kb上流に存在したため、現在解析を進めているところである。 (3).Bach2がGSTの発現に関与し、抗癌剤の感受性に関わっているかを検索するため、GSTの活性を上記のBach2過剰発現株とコントロール株で解析したが、差は認められなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kanezaki R,Ito E,Toki T et al.: "Transcription factor BACH1 is recruited nucleus by its novel alternative spliced isoform."J.Biol.Chem.. (in press).
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[Publications] Terui K,Ito E,Toki T et al.: "Dynamics of lineage-specific transcription factor expression during megakaryocytic differentiation."Toboku J Exp Med. (in press).
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[Publications] Toki T,Ito E. et al.: "Functional Characterization of the Two Alternative Promoters of Human p45 NF-E2 Gene."Exp.Hematol.. 28・10. 1113-1119 (2000)
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[Publications] Sasaki S,Ito E,Toki T, et al.: "Cloning and expression of human B cell-specific transcription factor BACH2 mapped to chromosome 6q15."Oncogene. 19・33. 3739-3749 (2000)