2001 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物における血液凝固第VIII遭因子の進化に関する研究
Project/Area Number |
12670771
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Research Institution | NARA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00201616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中 宏之 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40281761)
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Keywords | 第VIII因子 / 哺乳動物 |
Research Abstract |
各種哺乳動物における抗ヒト第VIII因子インヒビター活性の交叉反応性を測定し、第VIII因子の抗原構造の比較検討を行った。使用した抗ヒト第VIII因子モノクローナル抗体のうち、C5はH鎖A1ドメインのアミノ酸351から365を、RFF/8はH鎖A2ドメインを、NMC-VIII/9はL鎖A3ドメインのアミノ酸1675から1684を、NMC-VIII/6はL鎖C2ドメインのアミノ酸2170から2327を認識し、いずれもヒト第VIII因子活性に対するインヒビター作用を有していた。交叉反応性はヒトのインヒビター力価に対する各種動物のインヒビター力価の比を%で表した。C5の交叉反応牲はサルで7.0%、イヌで2.7%、ネコで16.2%であり、ブタ、ウシ、マウス、シャチではいずれも0%であった。RFF/8の交叉反応性はサルで1.3%であったが、それ以外の動物ではいずれもほぼ0%であった。NMC VIII/9ではいずれの動物でも交叉反応性を認めなかった。NMC-VIII/6の交叉反応性はサル、イヌ,ネコ、ブタの4種で認められ、それぞれサルで54.5%、イヌで130%、ネコで82.8%、ブタで13.4%であり、ウシ、マウス、シャチではいずれも0%であった。以上から、最も多くの動物でしかも比較的高い交叉反応性が認められたのはC2ドメインを認識するNMC-VIII/6であった。このことは、C2ドメインの立体的なエピトープ構造がサル、イヌ、ネコ、ブタにおいてある程度ヒトに近いものであることを示唆するものである。今回の検討結果から、第VIII因子L鎖C2ドメインの構造が種を超えて保持されていることが予想され、C2ドメインが第VIII因子の機能上、非常に重要な領域であることが示唆された。
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[Publications] Matsumoto T, Tanaka I, 他6名: "Immunological chanecterialuision of F VIII autoautibodres in patients with acquiesced hemophilia A with presence or absence of in delay clisome"Thronbosis Reseauch. 104. 381-388 (2001)
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[Publications] Masouu Shibata, Ichiro Tanaka, 他6名: "Analloantibody recogujey the VIII A, Domain in a patient with CRH reduced howoplilia A in whom the corresponding DNA sequence is celled"Thronbosis and Haemostasis. 84. 442-448 (2000)