2000 Fiscal Year Annual Research Report
小児1型糖尿病発症におけるインプリント遺伝子の意義に関する研究
Project/Area Number |
12670775
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
横田 行史 北里大学, 医学部, 講師 (40158366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 信夫 北里大学, 医学部, 教授 (50002332)
風張 幸司 北里大学, 医学部, 助手 (90214288)
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Keywords | 内因性レトロウイルス / IDDMK1,2-22遺伝子 / 小児1型糖尿病 / スーパー抗原活性 / HLA遺伝子 / HLA-DR抗原遺伝子 |
Research Abstract |
小児期発症1型糖尿病患者におけるIDDMK1,2-22遺伝子多型の関連についての検討 1型糖尿病発症と関連が報告された、内在性レトロウイルスIDDMK1,2-22遺伝子に多型を同定し、1型糖尿病との関係を検討した。【対象】小児期発症IDDM患者を急性発症IDDM(A)(n=50)と、緩徐発症IDDM(S)(n=20)に分類し、IDDM(A)のうち発症年令が5歳未満をIDDM(E)(n=24)、正常対照(n=52)とした。 【方法】IDDMK1,2-22のENV蛋白N末端上流および3'LTR下流よりprimerを作成しnested PCRにて2.9kbのDNAを増幅し、制限酵素Xba I、Bgl IIで切断しENV領域610bpをクローニングして塩基配列を決定した。 【結果と考案】1)ENV領域610bp中5'末端より339および510番目の塩基にA/Gの多型を認めた。A→G変異によりスーパー抗原活性を示すENV蛋白はそれぞれTyrがCysおよびstopがTrpに変化した。2)小児期発症IDDM患者94例のうち339番目の遺伝子頻度はAが90(96)%Gが10(4)の頻度であり、510番目はA70(79)%,G 30(21)%(();正常)であり、対象と比較してGの多型の増加傾向が認められた。 3)IDDM(S)では339番目のGが18%(p=0.0057)、IDDM(E)では510番目のGが38%(p=0.033)と対象と比較して有意なGの多型の増加が認められた。4)IDDMK1,2-22の2ケ所の多型とHLA DRB(0405、0901)、GAD抗体価の強い相関は認められなかった。内在性レトロウイルスIDDMK1,2-22の多型と小児発症1型糖尿病の関連を検討した結果、ENV領域610bp中5'末端より339および510番目の塩基にA/Gの多型があり、アミノ酸置換を伴っていた。この多型のGアリルと1型糖尿病の関連が認められた。中でもIDDM(S)において339番目のG、IDDM(E)において510番目のGの頻度が高い傾向が認められた。今後これらの多型がスーパー抗原活性におよぼす影響を解析すると共に、IDDM(E),およびIDDM(S)の例数を増やし、IDDMK1,2-22の1型糖尿病の感受性遺伝子としての可能性を検討する。更に、家族検索を行いこの遺伝子の遺伝様式と発症の関係について検討する。
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