2000 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカルによるグルココルチコイド抵抗性に対する分子薬理戦略
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12670784
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 俊正 東京女子医科大学, 医学部・薬理学, 助教授 (60146438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部・薬理学, 助手 (40119996)
村木 篁 東京女子医科大学, 医学部・薬理学, 教授 (50051446)
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Keywords | グルココルチコイド / グルココルチコイド受容体 / 酸化ストレス / 一酸化窒素 / 熱ショックタンパク質 / 細胞質-核間輸送 / 分子間相互作用 / HSC70 |
Research Abstract |
1 フリーラジカルストレスによるグルココルチコイド感受性低下の検証とその薬理学的治療 (1)酸化ストレスによりグルココルチコイド感受性が低下することをCOS7細胞に導入したグルココルチコイド感受性レポーター遺伝子の転写活性により明らかにした。 (2)Green fluorescent protein(GFP)融合グルココルチコイド受容体(GR)発現プラスミドをCOS7細胞に導入し、酸化ストレスを加えるとステロイドによるGFP-GRの細胞質から核への移動が阻害することから、酸化ストレスはGRの細胞質-核輸送を阻害することを明らかにした。 (3)GRと複合体をつくり、GRの細胞質-核輸送に関与する熱ショックタンパク質群のなかで、HSC70を細胞に強発現させると、酸化的ストレスによるグルココルチコイド感受性低下が抑制されることをレポーター遺伝子の実験系で明らかにした。 (4)リコンビナントヒトHSC70を作成し、HSC70の抗酸化能をin vitroの系で検討し:1)フリーラジカル検出試薬(H2F)を用いて検討によりHSC70はフリーラジカル発生系によるH2Fの蛍光増強を抑制すること;2)電子スピン共鳴法を用いた検討で、HSC70はヒドロキシラジカル消去作用があることを明らかにした。 2一酸化窒素(NO)によるグルココルチコイド感受性変化の分子機構の解明 (1)NOによりグルココルチコイド感受性が低下することをCOS7細胞に導入したグルココルチコイド感受性レポーター遺伝子の転写活性により明らかにした。 (2)GFP-GR発現プラスミドをCOS7細胞に導入し、NOがステロイドによるGFP-GRの細胞質から核への移動を阻害することから、NOストレスはGRの細胞質-核輸送を阻害することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshioka,T.: "Anti-NO action of carvedilol in cell-free system and in vascular endothelial cells."British Journal of Pharmacology. 129. 1530-1535 (2000)
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[Publications] 吉岡俊正: "融合遺伝子発現系による蛋白質可視化技術の分子薬理学的応用"日本薬理学会雑誌. 226. 36-42 (2000)
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[Publications] 吉岡俊正: "一酸化窒素および構成型熱ショックタンパク質70によるグルココルチコイド作用の修飾機構の解析"臨床薬理. 31. 331-332 (2000)
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[Publications] Tsukahara,F.: "Molecular and functional characterization of HSC5, a novel variant of human heat-shock cognate protein 70."Molecular Pharmacology. 58. 1257-1283 (2000)