2001 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子Neuregulinと心筋緻密層形成不全、心筋リモデリングとの関係の解明
Project/Area Number |
12670787
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
深澤 隆治 日本医科大学, 医学部, 助手 (80277566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 俊一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50194436)
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Keywords | Neuregulin / Erb / 心筋細胞 / 心毒性 |
Research Abstract |
増殖因子Neuregulinの心筋細胞における働きを解明し、Neuregulinが先天性心疾患である心筋緻密層形成不全や心筋梗塞後の心筋リモデリングに際してどのように関わっているのかを解明するのが本研究の目的である。昨年度は、Neuregulinのラット培養心筋細胞における働きとシグナル伝達を、Epidermal Growth Factorと比較して検討した。その結果、NeuregulinのErbB-2 receptorがNeuregulinのシグナル伝達に重要であることが判明したため、本年度はErbB-2 receptorのkinase domainを削除したdominant negative ErbB-2 receptorを作成し、Adenovirus vectorに組み入れ、ラット心筋細胞に感染させた。その結果、dominant negative ErbB-2の強発現は確認されたものの、Neuregulinの刺激によるErbB-2 receptor phosphorylationは2〜3割程度しか減弱せず、NeuregulinによるMAP kinase、Phospho Inositol-3 kinaseの活性化の変化も認められなかった。これは心筋細胞におけるErbB-2のintrinsicな発現がとても大きいためと考えられたため、次にErbB-2に対するAnti-senseを心筋細胞に導入し実験を継続した。しかし、ErbB-2の発現は心筋細胞にとってかなり重要な意味があるらしく、ErbB-2 anti-sense導入の心筋細胞は致死的であり、実験に耐えられなかった。改めて心筋細胞におけるErbB-2 receptorの重要性が確認される結果となったが、実験Dataとしては満足なものではなかった。 現在、ヒトの臍胎血から間葉系細胞を抽出し、5'-aza処理により心筋細胞likeな細胞を誘導し、この細胞を使ってErbB-2の不活化作用のあるヒト化抗体"Herceptin"を用いて本実験の継続ができないか検討中である。
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