2000 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線がMAPキナーゼシグナル伝達系路に及ぼす影響
Project/Area Number |
12670808
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 健彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40233879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮根 真弓 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (50215406)
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Keywords | 表皮角化細胞 / MAPキナーゼ / 紫外線 |
Research Abstract |
1.ヒト培養表皮角化細胞における種々MAPキナーゼ活性化の検索 ヒト培養表皮角化細胞に、短波長(UVC)、中波長(UVB)、長波長(UVA)のそれぞれ紫外線を紫外線照射装置を用いて照射した後、経時的に細胞を回収した。全細胞から蛋白を抽出、SDS-PAGEにより分離、型通りにウェスタンブロット法を施行した。その際、リン酸化したMAPキナーゼを特異的に検出する抗体と、リン酸化の有無にかかわらずMAPキナーゼを検出する抗体の2種を同じメンブレン上で使用し、両者を比較することによりMAPキナーゼの活性化の有無を検索した。その結果、MAPキナーゼ(ERKs、JNK、p38)の中でもJNKがUVCにて最も効果的に活性化されていた。p38についても同様の傾向を認めた。 2.in vitroキナーゼアッセイ法によるMAPキナーゼ活性化の検索 上記実験系において、UVCによりリン酸化されていることが確認されたJNKついてシグナル伝達経路上の末流にあたる転写因子c-junを活性化しているかどうかをin vitroキナーゼアッセイ法により検索した。その結果、JNKは実際にc-junを誘導していることが確認された。 3.紫外線によるシグナル伝達系における細胞表面リセプター活性化機序の検索 上記実験系においてMAPキナーゼシグナル伝達のそのトリガー部分で、紫外線が細胞表面の増殖因子リセプターにどの様に働いているかを明らかにするため、EGFリセプターの特異抗体を用いて、免疫沈降法により関連蛋白を集積し、さらに抗phospho-tyrosine抗体を用いたウェスタンブロット法により、リセプターの活性化を検索した。UVCによるEGFリセプターのリン酸化は明かではなかったが、再度確認実験を行う予定である。
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