2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670816
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 泉 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40022826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治彦 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90283431)
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Keywords | RETがん遺伝子 / RET-トランスジェニックマウス / 紫外線 / 悪性黒色腫 / メラノーマ / 酸化ストレス / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
有害紫外線がどのような機序で、悪性黒色腫(メラノーマ)の誘発を促進するかを明らかにする目的で、筆者等が樹立した活性型RETがん遺伝子(RFP-RET:RFPとc-RETのハイブリッド遺伝子)トランスジェニックマウスを用いて解析し、通常環境下では癌化しない良性のメラノサイト系腫瘍が必発する192系RFP-RET-トランスジェニックマウスに紫外線を長期間(7ヶ月程度)照射するとメラノーマが誘発されること、この機序に関わって、紫外線照射トランスジェニックマウスの皮膚/腫瘍ではRFP-RETの発現と活性が増強することを昨年度示した。この機序をさらに解析して以下の結果を得た。(1)皮膚黒色症のみを示す242系RFP-RETトランスジェニックマウスに長期に紫外線を照射してもメラノーマは発生しなかった。それゆえ、紫外線は腫瘍が最初に発生する段階ではなく、すでに発生した良性の腫瘍が悪性転化する段階で重要な働きをすると推定された。(2)RFP-RETトランスジェニックマウスに抗酸化物質を含む生薬を長期に経口摂取させたところ、腫瘍増殖が抑制された。(3)紫外線の照射によってRFP-RETが活性化する機序を解析するため、RFP-RET遺伝子を導入したNIH3T3細胞に紫外線を照射しRETキナーゼ活性に対する効果を解析した。RFP-RETは細胞内で一部が多量体として存在し、この多量体に強い酵素活性が検出された。この細胞に紫外線を照射すると多量体化の促進とともに活性が増強した。(4)細胞外ドメインを欠失するRET-PTC-1のアミノ酸置換ミュータントを用いた解析によって紫外線の標的がキナーゼドメイン上の特定のシステインであることが判明したが、RFP-RETは細胞外ドメインでの分子集合に紫外線による細胞内ドメインでの架橋が合わさって多量体と活性化が促進すると結論された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kato, M.: "RET tyrosine kinase enhances hair growth in association with promotion of melanogenesis"Oncogene. 20. 7536-7541 (2001)
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[Publications] Dai, Y.: "T-cell-immunity-based inhibitory effects of orally administered herbal medicine juzen-taiho-to on the growth of primarily developed melanocytic tumors in RET-transgenic mice"J. Invest. Dermatol.. 117. 694-701 (2001)
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[Publications] Nakashima, I.: "Redox-linked signal transduction pathway for protein tyrosine kinase activation"Antioxidants & Redox Signaling. (in press). (2002)
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[Publications] Kato, N.: "Repair by Src Kinase of Function-Impaired RET-MEN2A with Mutations at Tyrosines in the Carboxyterminal Kinase Domain"Cancer Res.. (in press). (2002)
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[Publications] Takeda, K.: "Osmotic stress-mediated activation of RET kinases involves intracellular disulfide-bonded dimer formation"Antioxidants & Redox Signaling. (in press). 473-482 (2002)
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[Publications] Kato, M.: "The Genomics of Homotypic Vacuole Fusion"Mol Biol Cell. (in press). (2002)
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[Publications] 吉川敏一(編集): "「酸化ストレス - フリーラジカル医学生物学の最前線」"医歯薬出版. 326 (2002)