2000 Fiscal Year Annual Research Report
外胚葉形成異常症の遺伝子解析及び成長因子による皮膚付属器誘導の実験的研究
Project/Area Number |
12670829
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
四本 信一 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70244241)
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Keywords | 外胚葉形成異常症 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
外胚葉形成異常症は神経、皮膚、歯芽に代表される外胚葉由来の臓器の発生過程における異常であり、このうち最も頻度の高いものが伴性劣性無汗性外胚葉形成異常症(anhidrotic ectodermal dysplasia,EDA)である。1996年、連鎖解析、ポジショナルクローニングにより本疾患の遺伝子が同定され、我々も本邦のEDA患者において新規の変異を検出し遺伝子診断にも成功し報告した(Yotsumoto S et al.,J Invest Dermatol 111:1246-1247,1998)。これによって日本国内の諸施設から遺伝子変異同定依頼の為に患者の検体が我々のところに集まってきている。しかし本遺伝子は未だ断片しか解っていなかった為に変異の同定に苦慮している。また近年常染色体優性のEDAについても原因遺伝子(DL)が報告された。我々はEDAおよびEDAの亜型と思われる患者を数例フォローしておりこれらの遺伝子を解析中である。 平成12年度は次のような手順で解析を行った。 1)当院皮膚科でフォローされている患者とその家族(3家系)、他施設より依頼されている患者3人、類縁疾患と思われる患者2人、今後依頼される予定の患者および正常人コントロールを対象とした。2)EDA遺伝子の各exonおよびintron-exon境界部に特異的primerでPCRを行った。3)PCR産物をdirect sequenceした。 現在のところ、新たな変異の同定には至っていないが、今後さらにDL遺伝子についても解析する予定である。
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