2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管肉腫バイスペシフィック抗体標識LAK養子免疫療法の臨床応用研究
Project/Area Number |
12670833
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増澤 幹男 北里大学, 医学部, 助教授 (30129267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 尚道 北里大学, 医学部, 助手 (90286287)
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Keywords | ヒト血管肉腫 / バイスペシフィック抗体(BSAb) / LAK養子免疫療法 / ヒト抗マウス抗体(HAMA) |
Research Abstract |
ヒト血管肉腫から樹立に成功した血管肉腫細胞株(ISO-HAS)を抗原にして作製した極めて悪性内皮細胞に特異性の高いモノクローナル抗体(HEW-3)とLAK細胞に反応するCD3抗体とのバイスペシフィック抗体(BSAb)作製に成功し、in vitroおよびマウスモデルを用いたin vivoで検討してきた結果、ヒト血管肉腫を顕著に抑制することが明らかとなった。今年度は臨床応用するためにそれぞれの抗体を十分量作製し、凍結保存した。インフォームドコンセントを慎重に行い同意が得られた頭部血管肉種患者3例に対して、BSAB2.6μg/mlを自家培養LAK細胞と投与直前に混合して投与する臨床治験が行われた。頭皮原発腫瘍に対しての局注投与は69歳と73歳の2例に、また頭蓋内浸潤腫瘍に対して後頭動脈からの選択的動注投与が48歳の1例に行われた。投与は隔日投与とし、血中にヒト抗マウス抗体HAMAが陽性になった時点で中止し、再投与は行わず、病変の経過、HAMAの推移と臓器障害の有無を検討した。いずれの症例においても臨床的に腫瘍抑制効果が確認された。1例に1日のみ発熱がみられたが臓器障害は起こらなかった。この研究成果はpreliminaryであるが、血管肉腫にはBSAbは有用な治療法になりえることを示唆した。平成15年度よりHAMAが産生されないヒト抗体作成の研究を科研に申請中である。
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