2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670840
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川久保 洋 東海大学, 医学部, 助教授 (70204691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪部 寿子 東海大学, 医学部, 助手 (10307283)
松山 孝 東海大学, 医学部, 講師 (80266428)
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Keywords | パラフェニレンジアミン / 接触過敏症 / チトクロームP450 |
Research Abstract |
Bandrowski's Base(BB)はPPDの活性代謝産物の一種で、パラニトロソアニリン(PNSA)と並んでPPD過敏症の成立に重要である(勝村芳雄ら、1990、Hansen and M_llgard,1991).PPD過敏症患者由来のリンパ球はPPD自体ではなくBBに反応する(Krasteva M,et al.,1993)という背景もあり、BBおよびPNSAの酸化反応による生成を検討することとした。非酵素的には、PPD free baseからはそれ自体がアルカリ性溶液であり、緩衝溶液中でもBBは効率良く生成する。抗酸化剤であるジチオスレイトール(DTT)存在下ではBB生成は有意に抑制された(PPD concentration:10mM,37℃、2時間)。PPD塩酸塩からのBB産生量はごく少量であったが、これは水溶液が酸性側であることに起因していると考えられる。いっぽう、アセチル体からは非酵素的環境にあってはBBは生成しない。細胞内での酵素的反応についてさらに検討を行った。Rat liver S9によるPPDの酸化については予備実験を行ったが、PPDはS9とNADPHの存在下で酸化され、BBを生成する。反応生成物は上清には見られず、S9分画に結合する。DTTの存在下ではこの反応は抑制される。クロトリマゾール(CYPの阻害剤、100μM)存在下では反応は約50%程度抑制されたため、反応の一部はCYPによることが示唆された。皮膚においてもCYP1B1などの肝外に主に分布するアイソザイムが存在するため、来年度はさらにどのアイソザイムがどの程度関与しているかについて検討を加えたい。測定上の問題点として、反応生成物はS9と結合するために上清には出現しないことがあげられる。したがって、抽出操作が必須のものとなるが、この点についても改良を加えたい。
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Research Products
(1 results)