2001 Fiscal Year Annual Research Report
静脈性造影剤とCTを用いた脳のPerfusionの解析
Project/Area Number |
12670847
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺江 聡 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40240634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 和男 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60001939)
加藤 千恵次 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (10292012)
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Keywords | 脳血液潅流 / コンピュータ断層画像 / CT / 造影剤 / 虚血性脳疾患 / PET / CBF |
Research Abstract |
平成12年度に作成した脳perfusion CT解析ソフトウェア(deconvolution法)の改良を行った。これを用いて、慢性期の虚血性脳疾患4名(全て男性、37〜69歳)を対象として、^<16>O-CO_2PETと比較することで、脳perfusion CTの定量性を検討した。 1.視覚的評価。CT-CBFでは、脳表上の血管、深部静脈、静脈洞が、CBFの非常に高い領域として示された。脳実質に関しては、灰白質と白質のコントラストはCT-CBFとPET-CBFとでほぼ同等であり、虚血部分と正常部分とのコントラストもほぼ同等であった。 2.定量性評価。血管成分を除外せずに計算したCT-CBFは、PET-CBFと比べて、断面内の脳全体で+41〜+60%と高値となり、誤差が大きかった。血管成分を除外して計算すると、この差は0〜+4%となり両者はほぼ一致した。同様に血管成分を除外して計算すると、CT-CBFはPET-CBFと比べて、灰白質のみでは+2〜+12%、白質のみでは-6〜+5%の値であった。また、病変側の大脳半球では+3〜+12%、反対側の大脳半球では-9〜+3%の値であった。 3.相関係数の算出。血管成分を除外した脳実質の相関係数は0.67〜0.72であり、比較的良い相関が得られた。 以上、今回の研究により、脳perfusion CTでは血管成分を含めたままのデータではCBFが実際よりも大きく計算されることがわかった。そのため、血管成分を自動的に除外するプログラムを作成した。その結果、血管成分を除外し、arterial inputを内頚動脈で計算することで、CBFをほぼ正確に測定することができることがわかった。今後、脳perfusion CTは脳血液潅流の定量的評価の有力な手段の一つとなると考えられる。
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