2001 Fiscal Year Annual Research Report
ストロンチウム89療法におけるT細胞B細胞の放射性組織障害に関する検討
Project/Area Number |
12670857
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡邉 直人 富山医科薬科大学, 医学部附属病院, 助教授 (40210926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 邦紀 富山医科薬科大学, 医学部附属病院, 講師 (40251904)
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Keywords | リンパ球 / 小核試験 / 放射線障害 / 照射 |
Research Abstract |
放射性ストロンチウム治療は認可見通しとなっていたが、予期せぬ事態から現在治験延長中である為に、放射性ストロンチウム治療を対象に検討できない状態となっている。そこで、比較対照として骨転移除痛目的で行われる放射線照射治療について、放射線組織障害を予備的に検討する。そこで、骨への照射範囲が広く・照射量が多いと考えられる放射線治療の内、食道癌患者対象に検索する。我々の基礎的検討から確立するこができた小核試験法を用いて、リンパ球の放射線組織障害について評価する。対象は、放射線治療の食道癌患者(6名)である。治療前及び治療後一週間以内に患者より採血してした血液を、リンパ球分離溶液であるLymp Sep 7mlあたり7mlの血液となるように調整し、1700回転30分遠心・分離しリンパ球を得た。分離したリンパ球を3回洗浄し、培養液上で調整した。培養液あたり最終的に5ug/mlとなるように分裂刺激剤であるPHAを投与した。培養44時間後には分裂阻止剤であるCytochalasin Bを投与した。全培養は72時間にて終了した。終了後遠心分離したリンパ球を、林らが考案した方法であるAcridine orangeで染色し、蛍光顕微鏡にて観察し検討した。観察は二核細胞500個当たりの小核細胞の出現数として算出する。結果は、リンパ球の二核細胞500個当たりの小核細胞数は、放射線治療前は8.8±2.3で治療後は52.2±11.9で、有意の増加を示した。食道癌における放射線治療では、in vivoにおいてリンパ球の放射線組織障害が小核試験によって検出された。しかし、放射線治療の短期的な副作用であるリンパ球に対する放射線障害の程度は、比較的軽度と考えられた。
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