2000 Fiscal Year Annual Research Report
動静脈奇形の塞栓術モデルによる接着性液体塞栓物質の至適濃度と至適投与速度の解析
Project/Area Number |
12670864
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
稲川 正一 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60303567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒田 治夫 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223060)
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Keywords | 動静脈奇形 / 塞栓術 / 接着性液体塞栓物質 / NBCA / 拍動流 |
Research Abstract |
動静脈奇形の塞栓術で恒久的な閉塞を得るためには、接着性液体塞栓物質(n-butyl 2-cyanoacrylate(NBCA))を用いる必要があるが、使用されるNBCAの濃度と投与速度は職人技として弟子に伝授されるか、経験的に学習されるかであり、学派によって異なっているのが現状である。 本研究は、人工的な動静脈奇形モデルを拍動流循環回路に接続して塞栓実験を行い、栄養動脈内の流速、NBCAの濃度および投与速度を変化させたときのNBCAの動態と塞栓範囲に関する客観的データを得て、学派間で意見の異なる現状において、至適濃度と至適投与速度に関する統一的見解に達するための基盤を提供することを目的としている。 本年は、初年度として、拍動流回路の作製、動静脈奇形の一型である動静脈瘻モデルの作製、同モデル内の流速測定を行った。 流速は収縮期40cm/sec、拡張期17cm/sec程度が実現でき、動静脈短絡点の直前の栄養動脈内の流速に近い状況を実現可能と思われた。 また、動静脈奇形のもう一つの型であるnidusモデルについては、当初予定ではGolden Pacific社から購入予定だったが、同社から全く返信がなく、購入できなくなったため、独自に試作することにした。幸い、今年度に血管中空モデル作製を行う別途研究を行っており、この技術を用いて試作を開始したところである。 来年度は、これら二型のモデルを用いて、目的の情報を得る予定である。
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